自分が死んでもネット上のアカウントは死なないのだ


「スマホを残して死ぬ」ことで起きる深刻問題 (東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース

 

薄々と気がついていましたが、自分がいなくなったあとに、誰かに迷惑をかける可能性について考えたことがありませんでした。記事の内容から私が考えた事を書いて見ました。

 

個人を特定する情報

電子的な取り決めに対してプライバシーは強固です。どのサービスも国内に閉じた世界ではないため、行政サービスだけではなく警察や国家権力に対しても中立の姿勢を保つと思います。(少なくとも表向きは)

今はまだ、電子的な取り決めだけではなく、書面での取り決めも有効であるので、家族、親族であればどうにかなりそうだと考えてしまいますが、大半はデータとして取り込まれて管理されているためネット上で変更した内容はそちらが有効になると思います。恐らく書面の内容が生きてくるのは、登録時の一般的な情報でしかないでしょう。

(住所の変更や、口座番号の変更などネットで便利にできてしまいますから) 

人を特定するのに戸籍や住民登録があります。戸籍は特別な場合しか利用されませんが、住民票はちょくちょく提出が求められると思います。引っ越しをして、転出転入をしたことがある人は感じると思いますが、本人確認に何を使うのかと言うと免許証だったりします。(自治体によって異なるようです。免許書の申請には戸籍が必要なわけで、戸籍が取れる人は免許証の申請ができるわけで…)

住民票はいろいろな所でお役所のお墨付きとして使われるわけですが、本人を示すモノとしては心許ないですね。本人が存在しない場合は尚更です。個人の情報を示すものは公的な機関が発行するモノが重要になっていますが、それ自体もネット上に保管され常に最新化される時代が来るかも知れませんね。

 

ネットで捨てたアカウントはゾンビになる

ネット上だけのものを想像した時、フリーのサービスは現実世界との関わりがほとんどない ように思います。メールやストレージだけではなくサイトの会員登録もフリーなサービスに該当するかもしれません。個人と結び付いているのではなく、メールアドレスやユーザーIDと結び付いているだけです。本人でさえ忘れてしまうかもしれない。

今でも爆発的に増えると同時に捨てられているように思います。登録はするけど飽きたら捨てちゃいますし、わざわざ登録解除もしない。更には長期間ログインされなくとも、登録時のメールが生きていれば本人が生きているとみなされ、メールの容量がパンクするまで広告メールが送信され続ける事になります。例えるなら死んでも死にきれないゾンビのような存在でしょうか。ネットにはどのくらいゾンビが存在しているのでしょうか。ゾンビを倒す仕事は非常に難しく、ゾンビに対して「あなたは生きていますか?」をアカウント毎に試すしかない。ハッキリ言って労力の無駄ですね。

一定期間ログインが無ければアカウントを削除すると言ったゾンビを一掃するルールは非常に有効と言えそうです。(アカウントに紐づく情報が非常にチープでないと、思い切るのは困難ですが。)

 

ゾンビは都合よく利用される

ネット上のゾンビたちは文句を言いません。魂が抜けているので、毎日のように何十、何百の広告メールを送り付けてもノーリアクションです。本来は意味のない事であると分かっているのですが広告は送り付けた数でナンボになるでしょう。そこに生き死の判断が容易ではない事はみんなが分かっているからです。悪い事を考える人はゾンビとわかっていても使い続けるのでしょう。そう考えると、自分自身でゾンビを作らない事も必要だし、自分のゾンビだと悟られないように情報の管理も必要ではないかと考えます。

 

アカウント、いくつありますか? 

スマホが便利になったからと言うよりは、呼び掛けてくる媒体が増えたと言うことなのだと思います。登録無料は当たり前だし、登録すれば一定のサービスも使える。自分には負担やリスクがないため際限無く登録できてしまいます。 使う、使わないは個人側の問題としながら本当はサービスの提供側の責任も大きいと感じます。システム上サービス毎に別人として扱われる仕組みを徐々に変えて行かないと、お互いに無駄が多くなってしまうでしょう。Googleアカウントをいろいろなサイトで使えるようになったのは賢い方法だと思いますが複数のGoogleアカウントを持っている事もあるので完全な対策ではないでしょう。

 

対策を考えよう

私の考えた対策はこんな感じです。

  • 登録時のメールアドレスをお金関係の有無で使い分ける。

お金が絡む銀行口座も通帳が不要になっている事もあり結構重要事項ですね。逆に言えばお金の絡む場合は個人情報と密接に関係している事が多く、ネット上であっても登録しなければいけない個人情報が多めだと思います。氏名、住所、生年月日、家族構成、年収、勤め先など。リアルの個人情報と繋がりやすいものは、影響度も高いと言えるので家族で共有できる状態にした方が望ましいと思います。また、重要な情報を見逃さないためにも登録時のメールアドレスを分けておくのが良いのではないでしょうか。お金関係専用のメールアドレスにしておけば、家族に見られても気に病む事は無いですし届いたメールの内容から登録先を把握する事も可能だと思います。

お金が絡まない登録情報は最悪消失しても影響はないと思われるので、フリーメールをこっそり作っておくのが良いと思います。個人的な趣味の情報はこちらを使う事で家族に知られる事もありません。ただしWebメールのままで利用する事が重要です。メールソフトにダウンロードしてしまうと、パソコンの知識に詳しい人であれば参照できる可能性が発生するからです。

  •  毎月引き落とされるサービスは特定のクレジットカードに寄せる

今は電気代やガス代などインフラ周りもクレジットカードで決済できるようになっていると思います。自分が死んでしまった場合に複数のカード会社から請求が来てしまうと厄介です。銀行口座が凍結された場合でも、クレジット会社は相続人に対して請求を続けるようですので、こちらも素早く解約できるようにしておく事が家族に迷惑をかけない方法になるように思います。 

 

まとめ

結論は無駄な情報を登録しないという事になると思います。しかし、ネットがますます便利になる世の中でそれに逆らう事も難しいのではないでしょうか。結局のところ年に一度は棚卸をして断捨離をしていく事が必要なのだと思います。自分が死んだ時の事を考えたくはないですが、家族や他の人に迷惑はかけたくないものですね。

 

 

おしまい。