無能な上司は最初から無能だったわけではないらしい。


なぜ「無能」な人が出世して上司になるのか? | エンタメウィーク

 

どこにでも、「何でこの人は昇進したんだろう?」と、言われる人がいますよね。本文ではその仕組みについて上手く説明されていました。

 

(1)能力主義の階層社会では人は能力の限界まで出世し、有能なスタッフは無能な管理職になる
(2)時が経つにつれ無能な人はその地位に落ち着き、有能な人は無能な管理職の地位に落ち着く。その結果、各階層は無能な人で埋め尽くされる
(3)ゆえに組織の仕事は、出世余地のある無能レベルに達していない人によって遂行される

 

なるほど、そういう事か!

「アイツは昔はかなりデキル奴だった」とか、「ああ見えても、同期の中で一番に出世したんだ。」みたいな話は、どの世代でもあるあるだと思います。そういう人達の話を聞くたび、それぞれいろんな事情があるだろ~から、他人がいうことじゃないからどうでも良いと思っていました。しかし、自分が影響を受ける場合には話が違います。もっとちゃんとやって欲しい、責任を果たして欲しいという「当たり前の事をやってくださいよ。」と言う思いが非常に強くなります。いくら出世していても、決められた役職(役割)に見あった働きが出来ていなければ、いくら部下や同僚のために働いたとしても、会社からは無能だと言われるし、役割を果たす事を期待している人からは、なにもやらない奴だとレッテルを貼られる事になってしまいます。

 

何を持って無能とするか

平たく言えば、評価する側(依頼した側)の期待に応えられない事だと考えます。
もう少し厳密に言うならば、評価する側が想定する範囲でアウトプットを出す事が出来無ければ「完全なる無能」と評価され、想定の範囲内で下のレベルであれば「もう少し、あと一歩、惜しい」と言った評価になるのではないでしょうか。

仕事の間柄であれば、無能と判断したな瞬間から余程の事が無い限り仕事を頼みたいとは思わないでしょう。それは友人関係として深い付き合いであったとしてもビジネスとしては別物だからです。無能に頼む仕事は無いという事でしょう。

 

無能から有能に返り咲いて欲しい

冒頭の記事について考えると、個人毎に限界があり・・・つまりポテンシャルが高い人でなければ出世しても限界が来るのが速い。そして限界が来た時点で無能(お荷物)になると解釈しました。単純な話、部長になるなら部長レベルの話ができる課長、社長になるなら社長と同等レベルの話ができる役員でなければ代わりは務まらないでしょう。役職の階段を上って行くのであれば、下から上を見上げているだけではなく常に階段を上っていく事が必要です。踊り場で休憩していたらいつまでたっても上る事は出来ないと言えます。

 

逆に考えて、1階層降りたら有能に戻れるという発想は無いのでしょうか。降格させるとモチベーションが下がると聞こえてきます。でも、役職だけがモチベーションになっている人より、降格して自分が得意な範囲で活躍している人では後者の方が会社にとってのメリットがありますし、本人にとっても仕事がしやすいのではないかと思います。あいつは無能だから降格されたと噂されても、客観的に見て役職相当の働きが出来なければそれを認めるしかなく、どーしても出世したいなら別の会社に行けばいいんじゃないでしょうか。

 

能力が活かせるのは自分が必要とされる場所にいるかどうか

人が必要とされるのは、オンリーワンの能力と言うよりは、たまたま必要とされる場所にいたという事が最も大きな理由だと考えます。その、たまたま必要とされる場所にたどり着けるか否かは、その人がどうやって人と関わって来たか次第ですし、自分の能力をどれだけ客観的に判断できるかにかかっていると思います。会社で出世する時だってポストが空いている事がポイントになるでしょうから、その偶然をモノにできる場所にいる必要が有ります。そのタイミングで、自分の能力はもちろんの事、年齢や体調、家庭環境や他の利害関係者との関係性など単純には比較できないパラメータがいい塩梅になっていないと会社も自分も納得できる状態にはならないはずです。

いつまでも出世できない人がいますが、ちょうど良い状況にもなっていないか本当に能力が欠けているかの何れかだろうという事になります。そう。無能へ向かう階段の踊り場にいる人か、階段を登り切れていない人か。会社で働いているからには会社の方針に合わない人間はその能力を活かしきれない事になります。あるブラック企業で無能と言われ働いていた人が別の会社に行った途端、優秀な社員としてバリバリ働くという話はまんざら嘘ではないと感じるのです。

結果的に無能になってしまう社員は、その会社のその役割が十分果たせていないから問題なのであって、その人が別の場所でも役に立たない人間であるとは言い切れません。自分の思い込みでデキル人間と思いこむのではなく、客観的に自分の評価ができるようにならないと、どんな場所でも無能な人になってしまう恐れがあります…怖いですね。

 

終わりに

 大袈裟に言うならば会社に所属していれば働かなくても給料を貰える場合があります。意味のない事務仕事をしていたり、他人に文句を言うだけだったり、部下の成果を横取りしたり…。それなのに、あたかも必要な人材であるかのように錯覚してしまったり、イラナイと思っても見て見ぬふりをしたりと、組織ぐるみでやってしまいがちです。個人で働いていたら絶対に放置できない状況であっても。

単に無能な人を切り捨てる会社では、長期的な展望を描く事が出来ないと思います。日本式であれば部署の異動を活発化させたり、仕事の内容を変えたりしながら無能な人が滞留する状態を防ぐ必要が有るのだと思います。会社に頼らずとも、長期間同じ仕事に滞留しているのであれば自分から部署を変えるとか生活を変えるような無能化に陥らないような対策が必要だと感じた次第です。

 

 おしまい。