報・連・相と責任感

うだる暑さで脳みそが溶けかかっている今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。あまりにも暑いものだから、「さっき何考えてたっけ?」からの「アイスコーヒー飲もう」のコンボが続いております。砂糖入りのコーヒーは脳みそにエナジーを与えてくれますが腹の肉にもエナジーを与えてしまう危険があるのでホドホドにしておく方が幸せなんだろうなと思うばかりです。

 

暑いから何でも面倒に感じてしまう事は仕方が無いと思うのですが、会社では何かにつけ報告を求められるのではないでしょうか。いわゆる報告・連絡・相談です。耳にタコができるほど何度も聞いているのだけど、報告する人と報告される人の思いがぴったんこになったと思って、「届け!私の思い!」と報告書を書いても、報告される側は「そんなんじゃ花丸はやれないんだよ」と一蹴されるのがオチだと思います。定量的になれば前回のコピーをちょこっとと変えて提出するだけになり、定性的になれば「俺はこんなに頑張ったんだぞー」という報告や、「あれもこれも心配です。どうぞよろしくお願いします。」といったお願いされても困るんだけどという内容になりがちだと思います。更に言えば歳を取ればとるほど、余計な事は書かない精神が育つため簡素にするのですが、失敗や言い訳は回りくどくなって上司に見つかるパターンが多いように思います。(個人的意見。)

 

まぁ、そんな仲良しな上司と部下ならば、まだ良いのかも知れませんが、もう少し上のレベルになるとダブスタで攻撃してくるため忖度が重要になります。

 

そんな報告は聞きたくない。 ⇔ マズイ話は早く報告しろ。
もっと考えてから報告しろよ。 ⇔ 情報は鮮度が重要なんだよ。
で、お前はどう考えてるの? ⇔ お前一人で考えて解決できるの?
リスクばかり見てたらやれないぞ。 ⇔ なんで十分なリスクを見てないんだ。
俺もサポートするから。 ⇔ 無理そうならメンバー確保して来いよ。


などなど・・・

数え上げたらきりがないが無いのですが、基本的に上司を信じないというのがサラリーマンの処世術だと思います。怒っている上司に対して反論した所で、「お前は言っている事の本質を分かってない」という決めセリフを吐くに決まっているのです。
上司から見れば悪い事は聞きたくないし、良い事は聞いても無駄なんですよ。なんで報告させるのかーと言うと、何となく部下を管理しているという状況を作り出すためです。だから部下の手に負えなくなった時、初めて上司は動き出す事になると思うのですが、部下の手に負えなくなっている時点でそれなりに問題は大きくなっているわけで、一筋縄では解決できない状態に陥っていると思います。

 

 上司と部下の関係は、親と子の関係では無いのだから目線の高さが異なるわけです。自分の目線で見ている限りはどちらも交わる事が無い事が普通なのだと思います。ですから上司に報告する時には、上司の目線に引っかかるようなちょっと上の角度を目指した報告が必要になるわけです。チョットやばいなと思い始めたなら、2か月後はやばい事になっている可能性が高い(数字的なものが効果的)と少しオーバーに伝え、上司が何か策を考える必要が有る事を示す必要が有ります。そこで目にとまってしまう事を良しとするか悪しとするかで本当の自分に対する評価が変わってくると思うのです。

 

上司は自分の目線に合わせて報告してくる事が分かれば、順調な時は泳がせておけばいいし、早めに「自分が対応しなくてはならないリスクだけ」を伝えてくる事が分かっていれば、それだけに目を光らせればいいので安心できるようになります。報告する側はどのタイミングがそれにあたるかという事を見極める必要が有ります。私の感覚では1か月から2か月後の状態をイメージして致命傷になると感じたなら、そのように報告するのが良いかと思うのです。問題に対する1か月は手を打てるか打てないかのデッドラインになる可能性が高いからです。だって、1週間で手を打てるような問題だったら、誰かが残業して頑張ればいいじゃんという話にすり替えられる可能性が高いですから。

 

どうしても自分を良く見せたいとか、自分でやり遂げたいという思いが責任感と混同されている場面をよく見ます。本当に責任感があるならば、自分の状況を客観的に判断して自分に対する冷静な処遇を考えるべきなのだと思います。少し前は死に物狂いで働いて何とかやり遂げる事が美徳とされていましたし、今の自分にもそれが責任感だと感じる部分は捨てきれません。しかし、自分だけではやり遂げられないリスクもあるのだから、対策を打てる間に報告し上司を巻き込んでリスクを分散させる方法を検討する方が、本当の責任感があると言えるのではないかと思うのです。

 

報・連・相は自分のコントロールを上司に委ねかねないマイナス面も持っていると思います。上司の判断に甘えるような報告は、自分の行動に制限をかける事になるのでやめた方が良いと思います。だから、報告される側の目線で何を知りたいかを考え、上司を動かす事で自分の仕事がやりやすくなるように先の見通しを脚色しながら報告すると良いのではないかと思います。いまどきは自分だけでやりきる事が責任を取るって事じゃないのだから。

 

とはいえ、古い考えの老害はいつまで経っても居座っているのですけどね。

 

 おしまい。