つまらない仕事≠意味のない仕事

社内で若い人のモチベーションが低いというアンケート結果が出たので、仕事がつまらないんだろうなぁと思いながら考えた事を書いてみました。

 

モチベーションが高い人は会社が好きなのか?

社内でモチベーションを上げようと言う話題を続けています。正確にはどうやったらモチベーションは上がるのだろうかと言う議論です。


組織として考えるのであれば、モチベーションの低下によって引き起こされる組織ー会社の問題にフォーカスしがちなのですが、モチベーションの多くは自分でコントロールするべきだと思われるので、組織 対 個人としてモチベーションを考えないとダメなんじゃないかと思います。組織的なアレやコレは元々のモチベーションが高い人や能力が高い人に対しては有効に働く可能性はありますが、そうでない人にとっては憂鬱な話にしかなりえません。組織が大きくなればなるほど失敗が許されない=チャレンジできない状況になるため、モチベーションを上げられる場面は減る一方です。


モチベーションが高くても大きく安定した会社を辞めた方のブログで盛り上がっていましたが、「あくまで個人の感想です」と言う注釈はついているわけで、会社がどうあろうと辞めない人は辞めないし辞める人は辞めるわけで自分で自分のいるべき場所を決めるしかないのだと思います。最終的には自己責任論に行き着いてしまう訳ですが、会社で何年も働いている人の大半はそんな感情やモチベーションからは一歩引いた所から自分の事を眺めて、自分の人生に折り合いをつけているのではないでしょうか。

 

組織が求める人材像に従うべきか

中年のおじさんなので、組織あっての自分である事は重々承知しています。そんな中で組織が求める人材ってどういう人材だろうと考えるわけです。-お客様と交流を深め、新しい仕事を取ってきて、そのプロジェクトをうまく回していくー そんなスーパーマンを描いていると思うのはチョット言いすぎですが、そういう人がいたらいいよね?という声は間違いなくあると思います。しかし前提条件が付いていて「組織の意志に従う事。」「自分で取りうる限りの責任を取る事。」ではないかと思うわけです。
組織が求めてるんですよ?破天荒で組織のいう事を聞かない人材なんて要らないわけじゃないですか。それをねじ伏せるような大きな仕事が出来る人材であれば良いかもしれませんが、それであっても会社の色に合わなければ評価はされません。

 

若いうちであれば、キラキラと目を輝かせてーそうか!素晴らしい人材になろう!-と洗脳されるかも知れませんが、何年か働けばそんな事はないと気づいてしまいます。何事もチャレンジする事にはリスクがつきものですがリスクに対する保険は大半の場合ついてきません。全て会社の金で動いているのだからリスクは取って貰っているじゃないかという人がいるかも知れませんが、それで失敗できるのは、余程のメンタル強者でしょうし、失敗が見えた時の事情聴取や逐次報告、失敗した理由の分析 などなど、上司の言い訳をするための内向き作業が限りなく湧いてくる事でしょう。

組織人として上に上って行くという気持ちが強ければ、社内向けの作業に力を入れる方が得策です。どれだけすごい成果を上げたとしても、自分が全く知らない人間を昇進させるような気概がある人は見た事がありません。そもそも推薦が必要なのだから社内的に成功を収めた人が昇進する方が自然です。無難に生きていくのであれば、組織が求める人材像に従った方が賢明かも知れません。自分に合う組織を探すというのも、詰まる所は組織が求める人材像とマッチするという事と同じだからです。

 

 つまらない仕事≠意味のない仕事

組織に従うためには自分にとって取るに足らないツマラナイ仕事もついて回ります。身近な所では交通費の生産や勤怠管理なんかは本当にツマラナイと思います。(仕事とはいえない・・・事務処理ですね。)もう少し上のレベルでは意味のない日報や週報、上長が更に上の上長に報告するための文書、トラブルが起きた時の謝罪文 etc ・・・上げようと思えばいくらでも上げれられるように思いますが多くの場合はそれらの仕事から逃れる事が出来ません。

 

ツマラナイ仕事ばかりやらされるからモチベーションが上がらないんだと言う気持ちはとても理解できます。ですが、若手の人たちはその仕事が必要な理由を理解できていないから、ツマラナイ仕事と思ってしまってはいないでしょうか。例えば会社の経理や契約の話について、会社の全員が知識としては大事な事だと分かっていても、お偉い人が小難しい話をするだけでは、自分とは無関係だと感じるでしょう。(私の周りだけかも知れませんが。)会社や組織として大切な事であっても自分に関係ないからツマラナイ仕事だと思っている人が、その場所にいて評価される可能性は低いでしょうね。そうなるとどんどんツマラナイ仕事だらけになってしまうという悪循環になってしまう恐れがあります。もちろん意識高く、スキルも高い人であればさっさと転職してしまえば良いとは思いますが多くの人はそういう訳にはいきません。

 会社に勤めるという事に関して、どこの会社に行っても変わらない要素があって、それを見極められないうちに意味のある事や必要な事を捨ててしまっていたらもったいないと思います。ツマラナイ仕事にも実は深い意味があって突き詰めていくと重要な意味が含まれているかも知れません。(本当に意味のない場合も多いですが(^^;)

面白い仕事や大きな仕事をしたいという志があるのなら、表向きの自分自身のブランド化は他所に置いておいて、つまらない事に前向きに取り組んでつまらない部分や意味がない部分を改善する事に力を注いだ方が良いと思います。

新人を受け持った時には、一年目はとりあえず周りのいう通りに仕事を進めて見る。二年目は自分で考えたやり方と周りとやり方で答え合わせをしながら仕事を進めて見る、三年目からは自分で考えたやり方が正解だと思って、周りを説得するように仕事を進めて見る。といったアドバイスしていました。石の上にも三年も待てない程、世の中はどんどん変わっていきますが、焦らずに腰を据えて考える時も必要だと思うのです。

 

 おしまい。