無駄な努力を避けていたら努力は出来ない

努力ーすごいと思うけど・・・

少し前に圧倒的な努力というフレーズを耳にしましたが、努力が一番わかりやすいのは高校生の頃だったと思います。全く同じ試験を受けているのに天と地ほどの点数差が出るというのは、自分の実力と言うのを嫌と言う程思い知らされました。その反面、しっかり勉強するとそれなりの点数が取れ順位が上がる事があったため、努力をすれば報われるとも思いました。当時も思った事ですが、努力して伸びやすい教科もあれば、それ程伸びない教科もあるわけで、同じ時間をかける事=同じ努力だと定義するとコスパの良し悪しが発生します。苦手な科目をフォローするのが良いのか、得意科目を伸ばす方が良いのかーと言った戦略を立てながら受験をした事を思い出します。(私は歴史は捨てました。)

 

努力=時間ではなく、目的に対して効率的かつ効果的にアプローチできたか という事なのでしょう。(もちろん目標を達成できる事が最良ですが、目標に近づくだけでも意味がありますから。)今どきで言う、どれだけ生産性を高められるかという事になると思います。

 

無駄な努力は多い。でも、無駄な努力も必要。

日本人は努力する事が美徳で当然の事と考えられるため、努力が出来ない人はダメなヤツと言うか信用できないヤツとして扱われる事が多いです。その割に、自分なりに努力をした所で結果が伴わない努力のほとんどは無駄な努力だったと言われてしまうのではないでしょうか。自己満足の世界であれば、努力が報われた事になります。でも他人の評価から成り立っている事ー成績や順位-については結果が全てです。

 

今時はコスパ良く生きていきたい。メリット>努力の方程式は絶対だし、それが守られないような努力をしたくないという風潮が強くなっていると思います。インフルエンサーの方々は口々にスマートで効率の良いやり方を進めてきます。(正しいか正しくないか、良い事か悪い事か などの議論はここでは抜きにします。)詰まる所、自分で行動する事=努力する事の効率的なパターンを示しているわけで、それに従う事で勝ち組になれるかも知れません。しかし、インフルエンサーの方々も陰ながらの努力や試行錯誤をしてきたからこそ、その人なりの勝ちパターンが出来たはずです。何もしなくて今の状況があるわけじゃなく「これまでにした無駄な努力を隠して発信している。」という事に対して、話を聞く側は身構えないとダメなのです。

「〇〇は不要だ。」と話している方は、不要だと分かるためのそれを理解するための努力をしたはずです(誰かの受け売りということもありますが)。学歴は不要だと言う人達は、学歴を持っているから言えるんです。最初から学歴を持つ事が不要だと気付いていたら、有名大学には行かなかったんじゃないでしょうか。実際には有名大学に行くための努力を行った事により、自分の経験値となり話の根拠として利用する事が出来ている・・・無駄な努力を、価値のある努力へ変換する事に成功しています。インフルエンサーが言う「無駄」は自分が経験済みの内容から派生しているにすぎず、(全く経験が無いだろう事まで信用されるはずもないので)同じようなインフルエンサーを目指す人に取っては、無駄な努力さえも同じように追体験しなければならないって事なんだと思います。 そこを端折って大学を辞めてしまうような人は、追体験を出来ていない事になりますから同じルートを辿ってコスパ良くインフルエンサーになろうとしても、完全にルートが分かれてしまいます。同じルートを辿りたいのなら(完全に辿る事は無理でしょうが)無駄な努力を経験してみる事が必要な事もあるはずです。

 

昔と今で努力は何が変わっている?

今と昔は時代が変わっているから〇〇すべきという甘言を言われる方もいますが、その話に頷いている時点でその人のモノマネを始めようとしているにすぎません。まずは疑って考えて見ないとダメです。昔と今が完全に違っているというのならば、その人が言っている過去の体験や考え方もすべて間違っている事になります。重要なのは変わっていきやすい事と昔も今も変わらずに重要である事を自分なりに分けて考える事です。商売道具が変わったとしても、人間の体を使ってできる事はそんなに大きく変わっていません。人間の代わりにスマホがやってくれる事が多くなったに過ぎないのです。ノートに書いて覚えるという行為は昔も今も変わりませんが、紙のノートに書くのかタブレットに書くのか、はたまたパソコンで打ち込むのかという点は大きく変わっています。一事が万事ではなく努力の根底は昔も今も変わっていない事に注意する必要が有ると思います。

 

一番の変化は、「とりあえずやってみる」が当たり前になったという事でしょう。何はともあれ動いてみて、失敗してみるというのが許容される世の中になりました。もちろん計画的に努力する事は大切ですが、短い期間でとりあえずやってみるという無駄な努力が意味のある努力に繋がる事が多くなったと思います。私は、ゴルフレッスンに入ったけれど、ロクにコースに出ないまま辞めてしまいました。しかし自分にゴルフは向かないという事をハッキリさせてくれたのでやってみて良かったと思いますし、基本的な事を学ぶこともできたのでゴルフの会話も少しくらいなら参加する事が出来ます。そうやって無駄にした努力をストックしておく事により自分が思いもよらない事態になった時も、助けになる事があると思います。

 

「とりあえずやってみる」をそんな事は無駄な努力だーと一蹴してしまうのではなく、とりあえずやってみる事を想像し手を出してみる事も必要なんじゃないかなーと思うのです。

 

おしまい。