子供たちのいいところ探し

他の子のいいところ探し

息子(小一)に難儀な宿題が出されていました。
それは、お友達の良いところを探して発表するというものです。

私も妻も昔あったよねぇ~という感覚で覚えていました。学年が変わっても、ちょいちょいやっていたような気がします。私が小学生であった30年近く前にも同じネタをやっていたのですから、余程、重要視されているという事なんだと思います。

 

さて、ウチの子供たちは他人に対する愛想が良くありません。友達なのにちゃんと挨拶もしないくらいひどいものですが、親があれこれ言った所で、本人の性格による影響が大きい事は直ぐには改善しないと思うのでお小言レベルでは他人に興味を持つように伝えていました。(ボッチと言うわけではなく、何人かの友達がいて学校も楽しいと言っているのであまり心配はしていません。)

我が道を行く息子ですから、この「友達のいいところを探す!」などという宿題が都合よく出来るわけがありません。宿題の提出日の朝に出来ていない事を告白するものだからママはお怒りモード。息子も火に油を注ぐように「友達の良い所なんて無い」って言うもんだから大火事になる所でした。私も発表しなければならないのであれば、言われる側のお子さんの事を考えると少し慌てました。


息子は「もしね、あなたの良いところはありませんでした」っていって言われたらどう思う?という問いに対して「いや」と小さく答えました。

 

保育園にいる頃は体力的にも大きな差はなくて、本気出せばアイツみたいになれるはずなんだ!という漠然とした自信や全能感があって、自分が極端に劣っているという感覚が無かった半面、アイツは自分より劣っているという見下した感じもなかったように思われるのだけど、小学生になると状況は大きく変わっていて、いつも勉強している子(親に厳しく育てられている子)はどんどん賢くなっていくし、スポーツ少年団に入っていれば野球やサッカー、柔道なんかうまくなっていくという違いが分かりやすくなってきます。得意、苦手の問題だけじゃなくて、習っている、習っていないという環境的な違いが子供たちの能力に影響を与えてくると思います。

 

子供達もそれなりに考えているので、クラスの中での順位を探すようになるわけです。そうなると(昔の自分の記憶を辿ると)「いいところさがし」をした時に、相手の子がいくら自分よりサッカーうまいと思っても、それよりもっとうまい子がいれば「いいところ」としては取り上げにくいように感じます。子供たちはシンプルに優劣をつけようとするので評価基準が難しいように感じます。

そう考えた時、今どきの子供たちは自己肯定感が低いという話に対して、クラスで一番デキル他人と比べるから自分が低く感じるのは当たり前で、特に「自分が一番になりたい事」に対して比較してしまうものだから自分が劣っているように感じてしまうのではないかなと思いました。これでは自分を肯定出来ないし、もっと頑張らないとダメだ!と気負ってしまうんじゃないでしょうか。

 

もう少し考えると、子供たちも褒められ慣れると言う事が必要なんじゃないかと思うのです。他人と比較するのではなく、過去の自分と比較してあげる。子供たちの半年は成長の連続なのだから、振り返ってみれば色んな事が出来るようになっているはずなので、褒めようと思えばそれなりに出てくると思うんですよね。

そして褒められ慣れた後に、人を褒める事の練習をしておく必要があると思います。訓練を積んでおくことで、人の事を注意深く観察できるようになるし、人のダメなところと良いところを平等に分析してその人に対する正しい評価ができるように慣れるでしょう。もちろん自分に褒められる経験が足りないと、ダメな所ばかり目に行きやすくなってしまうので褒められた経験が重要な事は間違いありません。

 

若い人達は面と向かって褒められる叱られるのも苦手なんだろうなぁと思うと、生きていくのは大変だろうなぁと思います。可もなく不可もなくという親としては手間のかからない子供に育て上げるのではなく、叱った以上に褒めてあげるような・・・親から子へのいいところさがしを日常的にやった方がいいなぁと思うのです。

 

おしまい。