現実をしなやかに生きるために
世の中は不公平でつらいことばかり・・・。
会社や家庭の厳しい現実に向き合っていくために、この本をご紹介します。
ぼくは会社員という生き方に絶望はしていない。ただ、今の職場にずっと……と考えると胃に穴があきそうになる。
- 作者: フミコフミオ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/09/27
- メディア: Kindle版
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舞台は完全に日常なんです。でも、日常を注意深く見るとこんなに面白く不思議な事があるんだと再認識させられます。 40代を生きる私には笑いや共感とちょっとセンチな気分になれるだけではなく、胃に穴が開かないようにするための対策も教えてくれるナイスな本になっています。
ビルの上から平民を見下ろしながらキラキラとした人生訓を語るインフルエンサーではなく、ビルを見上げながら必死で営業活動をするサラリーマンのフミコフミオさんが書かれた本です。現実に近いからこそ面白くもあり考えさせられるポイントがたくさんあるのです。
面白さだけじゃない
素直に読めばクスッとしてしまう内容でも、一歩引いて自分事にして考えて見ると結構難しい話もあります。だからおちゃらけたオチが付いた話でも、隠された意図は何だろうか?と考えるし私ならどうしただろうか?と読み返してしまうのです。
きっと、作者ご本人は「たいした意図はないよ。」って言いそうな気がするけれど、そんなところが本に深みを与えていると感じるのです。
この本の中でグサッと来た話があり、その一節を何度も読み返していました。
覚悟とは、ひとつのことにどれだけ本気になれるかというスタンスのことだ。経験を重ねていけば要領はつかめる。技術も身に付いてくる。ある程度までは。普通に食っていけるくらいまではいけるだろう。だがそこまでだ。その先の世界へ足を踏み入れるためには、どれだけ本気になれるかどうか、覚悟を決められるかどうか、が問われるのだ。
食っていけるようになったと思ってからは損したくないという思いが強くなって、チャレンジする事が怖くなってしまった。と思います。「自分がどう考えるか、どう動くか」を大切にできてないって事じゃないかと。
損しない方法を考えて行動する事は処世術としては正しいと思うのだけどモヤモヤは残ったままになってしまう。それでも、その状況を受け入れて毎日なんとかやっていくしかないというのが現実です。
意識高いインフルエンサーたちは、モヤモヤする苦い経験をあまり語りません。
彼らのブランドで語るネタとして面白くないしバズらないからでしょう。
この本では日常に散在しているモヤモヤした思いを、おちゃらけた文章にして整理してくれていると私は感じます。モヤモヤの正体が分かれば自分のモヤモヤも整理できるのです。
変化の前に心の整理だ
どちらを向いてもつらい状況にある40代。
中間管理職で胃の痛い毎日を送っている人も多いと思います。それこそ会社や同僚を呪いながら・・・。そんなつらい現実もこの本を読んで整理できたらいいなと思います。楽しく笑って読むのも良し、じっくり考えながら読むのも良し。
いろいろな楽しみ方はあると思います。
ただ、自分だったらどうだろう?と思いながら読むのがオススメです。
40代ならキラキラしたビジネス書で成長を目指す前に現実と戦う事が優先ですからね。
拙い感想で申し訳ありません。
本の魅力が伝われば幸いです。
おしまい。