女性が出世を望まない傾向があると言われると少しもやっとする。

日本電産、女性管理職の目標下げる「出世望まない傾向」:朝日新聞デジタル

 

しばしば、女性の管理職の割合が企業の評価指標として使われているのを目にします。

ぶっちゃけ、指標なんてどうでもいいと言うのが大半の意見なんじゃないかなーと思います。気にするのは、新卒採用に関係する人達くらいなのではないかな。

 

そう思う理由は

「出世」を意識する年代になった頃には、自分の中での価値感が確立されてくるでしょうし、会社の仕組みとして、どんな人が出世するのか分かってくるでしょう。

その年代になって、他人の状況や世の中の状況に対して、回りがそうだから自分もそうなるべきと思っちゃう人は、もう少し自分の事を見つめ直した方がいいんじゃないかと思います。

 

それはさておき、

本当は能力があったとしても、働く環境が合わないために出世したくないという事もあります。それなりの立場にある人が、大事な商談の最中に「子供が熱を出したから帰宅します」なんておいそれとは言えないでしょう。お客様対応が必要な場合、「明日にしてください」とは言いにくいものです。子供の世話をしながら会社の重要な仕事を担うというのは相当なパワーが必要な事だと思うのです。

 (このシチュエーションに対して自分を含めたオジサン達のほとんどが働く女性をイメージしてしまうと思います。本当なら父親も母親も同じ立場にいるはずなのですが、子供は母親が育てるものだという固定概念から抜けられないと思います。)

 

 男性が多い会社は、そのように仕組みが作られているわけで、元々の土俵が女性社員を意識した作りになっていないと思います。本当は男性だから、女性だからという区別のある社内制度はなくなっていく方が良いと思いながら、子供は女性しか産めないわけですし何かしらの支援は必要だと思うわけです。社会も母親の方が子育てを強要されやすいという事であれば、何かしらの支援は必要だと思います。

 

 しかし、いくら制度を見直そうとも、先に例を挙げた対外的な交渉を担う役職に就く事は精神的にも肉体的にもタフである必要がありますし、会社の求める成果に常にコミットしていくためには、それだけ仕事に対する集中力や時間を要するはずです。会社同士がしのぎを削っている中では、少しの違いが結果として大きな差になってしまうように思います。コレって日本でも世界でも変わらないのではないでしょうか。

アメリカのように、家事全般をハウスキーパーなどに外注できる文化が無いと、家事もこなし仕事もこなすスーパーマン以外は出世する事を諦めざるを得ないと思います。

 

しかし、もしかしたら・・・

本当の所は男性、女性ともこの会社では出世したくないのではないか?と勘ぐってしまいます。独身、子供も介護する家族もいなければ出世して大きな仕事をしたいと思う人もいるはずです。なので、女性管理職の割合は増えているのでしょう。でも、家族に目を向け仕事だけが生き甲斐ではないと考える人が増えれば出世したくないと思う人も増えるならば、それって男性も変わらないのでは?

まだまだ男性は仕事、女性は家事という認識を植え付けられた人が多いから、たまたま男性の方が出世する事を望み、女性の方が出世を望まない構図になっているのではないでしょうか。

  女性の社会進出が多くなる事は喜ばしい事だと思います。ならば、男性が家事をする割合や育児休暇をとる割合など家族に貢献できる度合いも評価基準になればいいのではないかと思うのです。それは会社の利益には繋がらないかも知れないけれど、女性が出世したくなる会社になるための手助けにはなると思います。

 

私の考えた事は記事の内容に対して穿った見方をしただけですので、真実はわかりません。批判をするものでもありません。ただ、色々な見方をしないと本当の事は分からないし、伝わらないと思った次第です。今はまだ女性管理職の割合をクローズアップして企業の評価指標として使われる事は必要かと思います。しかし、男性女性問わず働きやすい会社としての指標が使われるようような世の中になる事を望みたいです。

 

 

蛇足ですが、日本の女性管理職はまだまだ少ないようです。

女性管理職の割合 8.3%どまり/大企業ほど女性登用が遅れ : ■CFOのための最新情報■

 

 

おしまい。