家族サービスの満足度向上を考えてみる。

家族のためが本当に家族のためになっているか

「家族のため」が、家族の形によって違う事は当然なのですが、家族を思うが故の家族サービスでも、的外れであれば有益どころか害になる可能性も秘めています。それならば、なるべく価値の高い(と感じて貰える)家族サービスの方法を考えて見るのも良いのでは無いかと思うのです。

 

「家庭のためになっている」と、言っても何が基準になるかわかりません。仮に自分が家族のために使った時間を計れたとして、それが家族にとってどれ程の価値に値するのか一概には言えません。家族のために部屋の掃除や洗濯、風呂掃除をしても、それぐらいは「やって当たり前」と思われたら、最低限の価値を担保しただけになってしまいます。言うなれば100円ショップのレベル。「ちょっと嬉しい」と思われるようにならないとユニクロのレベルに到達できないと考えます。世の中には、せっかく手料理を作っても、高いお肉を使ったばかりに嫁に叱られるような不憫な方もいるようです。本当に世知辛い。きっつー。家族が一番と豪語される方がいらっしゃるなら、家族のニーズを全方位的に把握する優秀な営業マンでいる必要があります。(大げさ) 

 

とは言え、家族に対して継続的に価値を産み出すためには、小さな努力で大きな価値を産み出すレバレッジを働かせる必要があると思います。誰しも自分ができる事、得意な事に対して過小評価しがちだと思います。お掃除のスペシャリストであると思われるDUSKINクリーンミセスをお金を払ってまで呼ばないのは、掃除を誰でもできる事と思っているからだと思うのです。クオリティの高い掃除をいつも求めるかと言えばそんな事は無いですよね。

しかし、換気扇の掃除やエアコンのフィルタ掃除などは、掃除の延長ではあるものの中々手が出せません。そういった類いの作業を自ら行う事でプロ程の成果は出なかったとしても非常に喜ばれるため、価値は高いと思うのです。少し気を付ける必要が有るのは、頑張った事をアピールしすぎない事です。大変だと思う作業は自分が得意であっても大変ですから、頑張った事をアピールしたくなってしまうと思います。それをアピールしてしまうと、「助かったけど、そこまで言うならやらなくていいよ・・・」という逆効果になってしまいます。

 

協力が見える方が伝わりやすい

大変な事を粛々と達成するという事も重要ではありますが、もう少し楽に効果が出せるものを積み重ねた方が、レバレッジが効くように思います。例えば、同じタイミングで協力して作業できる事(洗濯を一緒に干す、庭の掃除を一緒にやる、掃除機担当と片付け担当・・・)を重ねる事により自分だけが頑張っているという気持ちがお互いに緩和されるので、お互いに「楽になった、助かった」という思いが強く出ると思います。(ついでに作業に対してお互いのやり方もわかるし、スキルも向上する可能性があります。)

この場合、奥様が作業に対する拘りを持っている場合は、一緒に作業をする事が出来ない場合もあると思います。(料理や洗濯など、夫に任せたくない!)その場合は、作業が終わる頃を見計らって、「コーヒーでも飲む?」とか、「代わりにやっておいた方が良い事は無い?」といった声をかける事で、感謝を示す言葉よりも感謝を示す態度を示す事ができると思います。一緒に家事をしていた訳ではないけれど、連帯感が生まれるように感じます。「気が利くね」と思わせる事がサービスとしての価値を高くすると考えられるからです。

家族サービスを行う前提条件として、家事の基礎能力(足を引っ張らないレベル)を備えている事があげられます。一通りの事をそつなくこなす事ができる生活力は必須です。もし身に着けていないのであれば、奥様と一緒にやる事を重視して基礎能力を向上しておいた方が良いかもしれません。そうなれば奥様からの信頼感もアップするでしょう。「仕事ばかりで家の事は何もできない」という評価はいろいろな場面で耳にするものです。生活力を身に着ける事が面倒だしうまくやれないからと言って、奥様に「ありがとう」と感謝を伝え続けたとしても、「感謝するなら、代わりにやれ」と思われてしまえば、感謝の言葉が安っぽく意味のないものに変わってしまうと思います。

 

苦手な事からコツコツと

他の方法として面倒な事を率先して引き受けるのも、ひとつの手だと思います。役所に行くとか、 手紙を出すとか、買い出しに行くとか。面倒な事でも難しくない事であれば失敗する可能性は低い上に、面倒な事は理解されているので「こうかはばつぐんだ」とは言わないまでも、高いレベルで喜ばれるのではないでしょうか。

 

また、苦手なものに対応してあげる事も良い方法かもしれません。この季節なら虫嫌いの奥様に対してイニシャルGの退治が成功すれば評価は上がりやすいでしょう。(一緒に逃げ回っていてはだめですが)機械が苦手だったり、家具などの修理が苦手だったり何か苦手な事を聞いてみるのも良いかと思います。ちなみに私は日用品が切れそうな事を察知してすかさず買っておく(amazonで発注するだけですが。)とか、スマホが不調な時に助けたりパソコン関係のトラブルも担当しています。

 

終わりに

 夫婦で役割分担をしてお互いにベストを尽くすという考え方は合理的でシンプルで効率的だと思うのですが、夫婦が交わる機会を減らしている部分もあると思うのです。一緒にやってみる事や、代わりにやってみる事により助け合って生活している事を感じやすいのではないでしょうか。仕事がいくら大変でもお互いに代わってみる事は出来ないですから、仕事の大変さなんて帰宅時間が早いか遅いか位でしか判断する事は難しいように思います。結果的にお互いに何をやっているか知る事が、「家族のため」になる事を見つけやすく満足度も高まるように思います。

家族サービスを考えて見たのですが、結果的にどのような人間関係でも同じように思います。夫婦、親子、友人、同僚、上司部下・・・小さな手助けであっても、相手の気持ちが理解できれば喜んで貰えるのだと思います。それでもやはり家族が優先である方が良いのだろうと思います。そして、家族サービスなんて言葉ではなく、もっと家族と向き合って満足度の高い生活を送れる事が大事なのだと思うのです。

 

 

おしまい。