「仕事ができない人」を首にして成功する会社


「仕事ができない人」を全員クビにした会社で起きた驚きの結果 - 新刊JP

 

簡単に言えば、(この会社では)役に立たない人を減らし、役に立つ人だけを残して成功した会社があるようです。

誰しも考えた事があるのではないかと思います。働かない人を減らして行けば生産性が高くなるのではないか。厳しく考えると誰もいなくなるだろうな。緩く考えるとみんな残っちゃうな。あの人は仕事できなくても宴会部長だし…

 

逆にこんな話もあるようです。どんな組織も2割は働かない人が出るという話。

 

働きアリの法則(2:6:2の法則)

 

不思議な事に、働かない人で組織を作ると自ら働く人が出てくるそうで。確かに、誰かがやらなきゃ終わらない仕事は、なんとなく「俺がやるよ」と言ってくれる人が出てくるため、体感的には「働きアリの法則」が成り立つ場面が多いように感じます。ニートばかりの会社を作られた話もありましたが、この法則が上手く機能していればどんどん働ける人が増えている事でしょう。

 

会社と共に生きている=会社で仕事がデキル人

ニートに限定しなくとも、目的もなく人が集まっただけでは烏合の衆でしかありません。ましてや働くのが苦手な人達が数多くいる集団が簡単に何かを産み出せるとは思えません。しかし、「日本の会社で仕事がデキル事」と「能力的に仕事がデキル事」には大きなずれがあるように感じています。

 日本の会社では組織、権力に対する忠誠心や集団への所属欲求が低いと上手く働けない(≒社会不適応?)となってしまいます。みんな残業しているから自分も残業しようとか、上司の発言をヨイショするような日本的な発想はイマドキに沿わない考え方であったとしても、全体の和が乱れるような人材は排除されるというのがセオリーです。全体的にお客様や同僚の事を考え根回しが得意なタイプが好まれると思います。このような事が会社で仕事がデキル事の大きなウエイトを占めているように感じます。

サラリーマン生活を円満に過ごすためにはとても大切な事ですが、いざ会社から出た時の事を考えると非常に心許ないです。最初、就職した会社と言う集団の中で生きる事を選び、その会社での立ち回りや常識、根回しが仕事になりすぎて外部との接触を仕事に出来なかったわけですから、会社から出た時にどのような評価が下されるのか想像ができません。そうなると、会社にすがる事を優先して考える事になってしまうため、上司の意見には逆らわず、波風立てないような生き方になってしまいます。このような環境で出世し管理職になったとしても、他の会社でも活躍できるような人と言うのは極めて限られるのではないかと感じます。

 

世間と共に生きている=自分で仕事がデキル人

会社の中に技術的なスキル・センスがあるのに仕事ができないと言われる人は数多くいて、和を軽視したり、空気を読まないタイプだと思います。悪く言えば人格(人柄)に問題があるとか言われているのではないでしょうか。こういう人たちは圧倒的な技術力で他者に文句を言わせないタイプなので、プロフェッショナルな仕事をしていれば和を乱す存在であっても重宝され続ける事になると思います。会社とは一定の距離を置いていて解雇されても別の仕事があるから大丈夫と考えているように感じます。一人で働けるならフリーランスが最適ですが、フリーランスでも仕事の関係者とは協力が必要ですし組織の看板が無くても自分を相手に認めさせる能力が必要になります。金を稼ぐとか安定した仕事をするという意味では会社に勤めてプロフェッショナルなスキルを活かすという考えも理にかなっていると思います。

 

仕事ができない人をクビにしてもうまく行く会社

日本の企業ではおいそれと解雇する事は出来ないので、表立っての解雇は早期退職者の募集くらいかも知れません。それはさておき、仕事がデキル人を残し仕事がデキナイ人を解雇すれば多少なりとも会社の生産性は上がるでしょう。しかし解雇される側から考えると、「会社で仕事がデキル」と思っているタイプの人は会社から離れてしまえば仕事がデキナイ人に変わってしまうため必死に会社にしがみつく必要が出てきます。日本の生産性が低いと言われている所以は、会社内で仕事がデキル人の評価が高く(=給料が高く)それは、根回しなどのコミュニケーションコストが高いため評価が上がるといった悪循環なのではないかと感じます。社外とのコミュニケーションが得意な人はもちろん役に立つ人材ですが、社内でのコミュニケーションコストは低い方が良いに決まっています。必死に会社にしがみついている人の拠り所が社内での人脈や社内に閉じた仕事に偏っている事を考えると、「会社で仕事がデキル」タイプの人を仕事がデキナイと見做しどれだけ削減できるかによって、うまく行く会社とうまく行かない会社が出てくるのではないかと思います。巨大な組織は幾重にもコミュニケーションコストがかかっているため、その障壁を壊す事ができる組織作りも必要なんでしょう。

 

余談ですが…

私も先の事を考えると、本音で言えばしがみつく側に回る事が予想できます。スキル云々は必要だと思いながら、まずは自分を表現できる能力を身に着ける必要が有るんだろうなと思います。自分の能力を的確にプレゼンして転職される方もいらっしゃいますしね。他人に自分の事情を考慮して査定してもらうなんて手間がかかりすぎです。今やスピード査定の時代。自分で自分の事を端的に表現できる事がとても大事なのではないでしょうか。

 

 

おしまい。