キラキラ名字とは言わない

職業柄、コンピュータが使う文字については気になる事が多いです。

以下の記事なのですが、大雑把に言えば様々な漢字を皆のパソコンで使えるようにしたと言う事です。みんな知っているし、読むこともできるのだけど、普通のパソコンでは打てない文字と言うものがあるのです。それをなるべく無くそうという試みが標準化されたと言う内容になります。

 


戸籍の人名にも対応、漢字約6万文字のISO文字コード化が完了 - ケータイ Watch

 

過去、日本の漢字は制限なく生まれていたようです。戸籍に登録する時、下手くそな字だったのが別の文字として登録されたり、先祖代々使っているからという理由で特殊な字も登録されたり。今でも異体字と呼ばれる同じ意味なのだけ形が違う文字があります。高や広、渡辺の辺なんかも良くあると思います。Yahooニュースなんかでは「※草なぎのなぎは弓ヘンに前の旧字の下に刀」と言った記述を見かける事も多いと思います。パソコンで入力すると字が出てくる場合もあるのですが、どのパソコンでもスマホでも同じ字が使えるとは限らないという理由があるためです。また、昔のパソコンでは使える文字数が非常に少なく、常用漢字のようなメジャーな文字が優先的に登録され、マイナーな文字は特殊なソフトで使える文字を増やしていたため会社毎に互換性が無かったという実情もあります。

 

パソコンで使える文字を基準に考える事も無いのですが、普通の人が読めない漢字を使ったり、当て字になっているようなキラキラ名字が存在します。キラキラ名字は印字できなかったり変換できなかったりして扱いづらいものです。キラキラネームは議論の対象になりますが、キラキラ名字は問題とされませんね。名字が古くから受け継がれていると言う事が理由なのだと推測されますが、立派な家系はさておき、庶民の名字は自由につける事が出来た(名字 - Wikipedia)みたいなので、それ程大層な理由があったのか知る由もありません。

 

 

自分の出自や氏名に拘る人もいると思いますが、それは個人の自由だし大事にすべきことだと思います。ただ、お役所で出力された文字が正しく印字されていない(簡略化された字を使われる)事に対して腹を立てる人がいるのは正直理由が分かりません。特殊な漢字を使っている事がそんなに大事なんですかね。簡略化される事で間違った字(異なる字)としてみなしてしまう文化があるため仕方が無い事なのかも知れませんが、氏名なんて、その人を示す記号でしかないのになぁとか、裏では数字で管理されている世の中なのに、そこまで拘る理由があるのかな…と思う次第です。手書きになればコストも上がるし使いにくい文字を使えば間違いも増えます。そんな労力をかける必要はありますかね。

 

私自身、戸籍で使用している字が旧字体で登録されておりお役所の方が言う通り免許書を旧字体で作ってしまったため、何かと「免許書で使っている字と違うので書き直してください。」と言う面倒な事が発生しました。正直どうでもいいというのが本心でしたが、当人がそう言っても「問題が発生したら困るので…」と毎回言われる事になりトホホな気持ちになりました。嫁の希望もあり戸籍の文字を変更したのでトホホに見舞われる事は無くなりましたが、もっと早く変えておけばよかったなと思います。そう。嫁は私の苗字になったのですから、名字は変わってもおかしくないって事なんですよ。

 

冒頭の記事の内容から、共通的に使える漢字が増えるという事で喜ばしい事だと思います。なので、止めや払いが違っているから間違っているとか、細々した違いを指摘せず、少しの違いは許容範囲として扱って欲しいと思うのです。

 

 

おしまい。