産休に入る同僚に向けて

これから産休に入る同僚の女性と話をしている時、「働かないと子供の教育費が足りなくなるので仕事を辞めてはいけない。」と言う話が出ました。単純に考えたら当たり前と言ったら当たり前の事。養う人が一人増えたら、その分お金が要るって話でしょうから。でもそれって、「今の会社を辞めてはいけない。」という事と「何でもいいから仕事を続けなさい。」という事では全く違うような気がしました。

 

何としても会社にしがみつけ?

日本なら多くの会社で産休を取れる状況だと思います。「産休取れるなんてすごい!」という会話は私の周りではあまり聞いた事はありません。出産により働く事を諦めて退職してしまうよりも、会社に申請して身分を確保しておいた方が生活を安定させる事が出来るため、「辞めよっかな」と思っても申請しておく事にデメリットは無いと思います。 その反面、ネット上ではマタハラを受け退職に追い込まれたり…という状況もあると聞きます。上司や同僚の理解不足によるハラスメントはダメ絶対!だと言えるはずです。会社にとって必要な人材かそうでないかというのは、上司や同僚が決められる事ではないので、「周りに迷惑をかける奴だから何を言ってもいい」という感覚を持ったハラスメントは何とか無くなればいいのに…と思います。そういう状況になるのは上司の能力が欠けており、更に言えばそういう人材を上にあげた会社が悪いという事に繋がると思います。このように考えてしまう、この会社にしがみつく事が本当の正解なのか良く考える必要が有るのではないかと思います。

 

働き方を変えられなかったり、社員の残業をコントロールできない会社がたち行かなくなると言うならば、それは喜ばしい事だと思います。その輪が広がって世の中か変わっていく事を期待したい所だけど、世の中が変わる事と働いてる会社の制度が変わることは別問題なのです。会社が変わらない事に対して文句を良い、会社を変えようとするならば労働組合に訴えてみるのも良いと思います。ただ恐ろしく時間がかかることは間違いない。今を変えようとするなら、自分が変わるしかないのは明白です。

 

会社の制度を正しく理解しておく事も重要ですが、もし会社に頼れないと感じた時にどのように対処すべきかを考えておいた方が良いのだと思います。貯蓄であったり、自分のスキルを磨く事であったり。他の会社で働くという事も視野に入れないと急に周りが狭くなってしまうんじゃないかなと思います。

 

 子育てと仕事を100%のパワーで両立できるか。

同僚との会話の中で私が「子供を育てる事と仕事を両立させる事を欲張りだ」と表現した時、同僚は何か引っ掛かる表情をしたように見えました。

 

仕事と子育てを両立する事は素晴らしいと思います。(私の妻も仕事と家庭に奮闘しています!)問題は、両方に対して100%でこなす事は難しいという点です。良き家庭人でありながら、バリバリのキャリアウーマンができる人と言うのはごく稀で、かなりのパフォーマンスを維持できる人しかありえないでしょう。子育ては1、2年頑張ればなんとかなる話ではないですから。また、時間給で縛られている仕事であれば、早く仕事を切り上げる事に限界があるため自分が思った通りの働き方は困難です。

私は子育てと仕事を100%の力で両立する事が「前提」だとして考えていたら、とても息が詰まると思うのです。「子育てと仕事の両立は欲張りなんだ」と考えた上で働き方の最善策を考えた方が楽に仕事ができるんじゃないかなと思うのです。

 会社で働いている限り、100%こなしていく事が前提なのでしょうか。最初から80%で働く前提ではダメなんでしょうか。

時短によりこの辺のコントロールは可能だと思うかもしれませんが、逆に言えば時間内で100%の力を発揮しなくてはなりません…。子供の事を心配しながら100%のパフォーマンスを出すって難しくないですか。本当は100%の力を出せばもっと仕事をこなせるのだけど、あえて80%の力で仕事をして(手抜きできる所は手抜きをして)余力を持っておいてここぞという所で100%の力を出せるようにしておく方が良いと思うのです。

 もちろん、会社との関係性、将来的なキャリア、自分に対する評価も力の発揮具合に影響を受けると思います。しかし冒頭の話のように仕事を続けお金を稼ぐと言う観点だけ考えたなら、力の発揮具合をコントロールした方が気持ちが穏やかに仕事を続けられると思います。

 

何はともあれ

無事に子供が産まれてくる事を祈念しております。

 

おしまい。