働き方改革でリストラは増えるのかも知れない。

働き方を考えて見る。

働き方改革働き方改革!と言われ、言葉だけは浸透してきたと思う。
結局は玉虫色の言葉で自分の置かれている立場によって良い事も悪い事もある。自分が発注側であるならば、自分たちの働き方改革のために発注先に無理なスケジュールでも対応するよう仕事を押し付けて事になる。逆に受注側であれば発注先から無理なスケジュールで仕事を押し付けられて対応する事になる。

 

上流から下流へ仕事を押し付けているようでは、全体的な働き方は改革されない。押し付けではなく適切なスキルを持った所に適切な仕事を分担する事が必要なのだ。現実はスキルよりも価格や納期が重要視されていて、下流に流れるほど外国人労働者が日本人の代わりにせっせと働いてくれている。まさに受け皿になってくれている。

 

社内を考えて見る。

社内では上司から部下へ仕事が流れている。と思う。
仕事を流していく事がやるべき事の境目をあいまいにしている事が多い。単純に言えば上司から部下へ雑用を依頼していないだろうか。本当にやるべきか判断がつかない場合、誰かに頼んでしまうのが手っ取り早い。上司としてやるべき作業を割り振っていく事は必要なのだけど、「自分だったらやらないけど、誰かに頼めるならやる」というレベルの仕事を、下流(部下)に流していると良く分からない事になる。上司に言われた仕事だから優先してやらなければならないと思えば、本来やるべき仕事がおろそかになるし、やりたくない・やる必要が無い なんて簡単に言える人もそれほど多くないと思う。そして雑用の方をありがたがる人もいるかも知れない。時給で働いていてちゃんと残業代を貰えるならば仕事は簡単な方が良い。ささっと出来てしまっても、時間がかかったフリをすれば楽に金を稼ぐ事に繋がるんだから。

 

働き方改革を考えて見る。

「日本人は残業が多いから仕事を減らしましょう。」じゃなくて、生産性を上げましょうと言うのが本筋。生産性を上げるのに一番いい方法は、生産性の低い人間をリストラする事。「無駄な仕事をなくしましょう」=「無駄な仕事をやっていた人をリストラしましょう」と考えた方が手っ取り早い。もっと言うならば仕事をしていなかった人やいてもいなくても変わらない人をリストラすれば手っ取り早い。無駄な仕事を作ってあげる必要もないし、給料も管理費もガッツリ減らす事が出来る。もし減らしすぎてしまったら、派遣さんに頼むか外注に出せばいい。

 

これからの仕事を考えて見る。

営業は断る事も仕事だとフミコフミオ氏はブログに書いていたのだけど、根本的にはここに行きつく。ムリムダムラが生まれるような仕事を生み出してはいけないのだという事。発注と受注が成立して仕事は生まれるものから。発注側はもっと賢くなって、仕事として成り立つようなプロポーザルをする必要がある。「仕様は受注側で考えろ、責任は受注側にある」という前提をもとに最安値でしか発注しないのは、失敗する仕事を増やすだけである。失敗している時点で何かが失われロスが発生している。失敗が全て悪とは言わないけれど、働き方改革をしたいならば日本全体で考えな無ければだめではないかな。自分は地方自治体関係の仕事がメインなのだけど、予算の考え方も仕様の決め方も最初から失敗している事が多すぎる。国のシステムで多額の予算をかけて使われなかったものがどれだけあるだろうか。そのおこぼれにあずかっている身ではあるため、偉そうな事は言えないのだけど。

改元だってその一つだ。改元を喜ぶのはいいけれど、どれだけ金がかかっていると思っているのだろう。誰も大きな声ではいわないけれど。

 

無駄な仕事が無くなる事は無い。

「本当に必要なもの」を定義できる人がどれ程いるのか分からないけれど、間違いなく国全体で無駄な慣習によって無駄な仕事が生まれている事には間違いない。その無駄な事を省いて行ったら、仕事自体がどんどん減っていくと思う。そしてリストラも増えて行く事だろう。チマチマと小さな改善をするよりも、無駄な仕事をやらない、儲けられない仕事をやらない。その方が働き方改革になるというものだ。

そうしたら、公共工事とか内需拡大に動いて無駄な仕事を作る事になるのだと思うと、政府のマッチポンプのような気さえしてくる。そうでなければ、世界で稼げる人が大きく稼いで貰って、新しい仕事を作ってくれる事を頼むしかないのだろうと思う。中国やアメリカみたいに、カリスマ経営者やカリスマ企業をもっと優遇したらいいのに…と思わざるを得ない。 働き方改革でリストラが増えるけれど、失業者が増えたら無駄な仕事を増やして働き手を確保するーという流れを想像すると、金持ちやスキルの高い人達はどんどん儲かる仕事をやってどんどん税金を払って貰い、能力やモチベーションの低い人が税金で仕事を貰って生活していけるようにするしかないのだと思う。

 

税金を払っているブラック企業と、赤字で税金を払っていないホワイト企業ではどちらが国に貢献しているか分からない。けれど、税金を払うホワイト企業にしたければ、優秀な人材しかとれなくなるだろう。銀行だって見込みのない人にはお金を貸さないのと同じように、企業だって見込みのない人材を会社にいれる事が出来ない。単なる負債になってしまうような人が一人でもいたら、他の社員の負担が増えてしまうのだから。

 

さて、もうすぐ肩たたきが来てもおかしくない歳が近づいてきた。
自分に何ができるのか、日々、考えなければいけないな。
 

 おしまい。