おじさんだらけの職場

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私は自治体関連のシステムを担当しているのですが、どうしても年齢層が上がる傾向があります。

 

お客様は公共性が高い事もあり特に失敗する事を嫌います。最近は多方面からのクレームも多く、対応に苦慮されているからだと思います。
(クレーム対応窓口なんて最初からは用意してないですしね。)

 

そうなると、前例があり失敗するリスクが低い事を重要視される傾向があります。更にベテランの担当者を好み、チャレンジする人よりも言われた事を間違いなくこなしていくタイプの方が喜ばれるようです。もちろんお客様によって違いは大きいのですが、業種的に見れば大きく異なる事は無いでしょう。

 

この傾向は私が入社した時から変わっていません。
変わっていないというよりも、悪化しているようにも感じます。私がまだ若かった20年前のお客様は若いメンバーが入ってきたら多少の失敗は不問にしてくれましたし、経験を重んじる空気がありました。それはお客様との一体感かも知れません。協力して形の無いシステムを使いやすいように作り上げる意識が強かったように思います。

 

時代は進み、失敗は許されない空気が強くなって行きました。そして癒着を疑われるため、仕事場以外でお客様と交流を持つことを禁止されました。そして必要とされるのはこれまでデスマーチを乗り越えてきた猛者と有識者と呼ばれる業務に詳しい人になりました。プログラミングの現場では若い人がいると思いますが、直接お客様と話をするような事は少ないと思います。なにしろ、前例や経験を重視するのですから若い人がメインになることは難しいです。

 

若い人がモチベーションを保つのが難しいだろうなぁと思います。必要以上に失敗を恐れる現場で、ノビノビと仕事するなんてできません。それなりの適応力がなければさっさとおさらばしてしまうでしょう。皮肉な事に優秀な人ほどいなくなってしまうんですよね。他でもやれる自信があれば、早めに辞めた方が良いこともあるわけですから。

 

 おじさんだらけの職場は終わりが見えている状態です。
うまく世代交代が出来ないような所は、緩やかに消滅していく事が目に見えています。ただ、誰も現実を見ようとせず…いや目の前の現実だけ見て先の事は後の人が考えればいいと思っている事でしょう。偉い人でもそれは変わりません。
リストラして強制的に変えていく事も必要かも知れないけれど、組織の本質とお客様との関係性が変わらないのであれば人も定着しないでしょうし、世代交代もうまくいかないように思います。簡単な事では無いのですが。

  

おしまい。