異動した後輩が幸せそうだった

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自分の仕事を一言で説明できるか問題 

IT関連の会社に勤めている事を話すと、パソコンが得意とか難しい技術に詳しいというレッテルを貼られる事も多い。でも、最近は多くの人がITという言葉が途方もなく抽象的だという事が体感できるようになって、なんかITの仕事をやってるみたいというフワッとした表現に変わった気がする(笑)

そんな最近のお話。

 

自分が入社した時は正直よくわかってなかった。
システムエンジニア(SE)とプログラマ(PG)の違い。

ざっくり言えば、お客さんと話して仕様を決めるのがSE、仕様を元にプログラムを作るのがPG。でも、仕事が一連の流れであるからにはハッキリと分かれてない事の方が多い。どんな仕事でもSEとPGのようにSE寄りのPGとか、PG寄りのSEというようなグラデーションがあって、天才肌は色がハッキリしている方が有利だけど、同じ色の人は一人でいいから色の濃さで優劣が付いてしまう。実際の現場ではグラデーションの幅が広い人材の方がどちらの色にも近づくことができるので仕事の幅が広くなるし頼られる事が多い。(良いように使われるというデメリットもあるけど。)

 

このグラデーションって大事だと思う。

 

単色で生きていると陳腐化やマンネリ化は避けられない。だから、流行りのバンドも飽きられたら売れないバンドになってしまうわけで、どこか色を変えてグラデーションを作る必要が出てくる。だから、会社でも異動や転職をする事って大事だと思うんです。グラデーションの幅が一気に広がるから。

 

自分のやりたい仕事とは何だろう 

「自分のやりたかった事と違った」と言って退職や異動の理由にする人がいるけれど、本当にやりたい事があったんでしょうか。少なくとも私にはやりたくてしょうがない仕事なんてものは存在しませんけど。
「給料もらっても、こんなつまんねー仕事はしたくないんスわ。」とか「こんな薄給じゃ、将来やっていけないよ。」という具体的な話の方が筋として通りやすいように思えても、そんな本音を言っていなくなる人に出会った事はありません。

会社員も売れないバンドも根っこは同じで、やりたい事で稼ぐためには努力、努力、努力に加えて強運。さらに頭の中がお花畑になれる才能も必要だから一握りの人間しか叶える事ができないから、凡人はやりたくない事でも割のいい仕事を探すしかない。

おそらく凡人ではない、「好きなことだけで生きて」いけるはずの一握りのYouTuberであっても趣味と仕事のグラデーションができている。例えば変顔するYouTuberは変顔が自分のやりたい仕事だったのか?Yesという答えが返ってくるかもしれないけど、それが好きなら鏡の前だけで十分だわ。

 

 向き、不向きには逆らえない。自分も周りも。

人間の良い所でもあり、悪い所でもあるのだけど、性格や心情による向き不向きはどうにもならない。私には営業の仕事は全く合わないと思うし、メンタルが耐えられない。そういう心が向かない方へグラデーションを伸ばすのは止めた方が良いと思う。メンタル死んだから何もできなくなるのが本当に怖いから。だから仕事の内容以上にダメ上司とかダメ同僚のような環境に問題がある場合にはさっさと逃げ出した方が良い。間違いなくその職場は向いていない。

ただ、向き、不向きという感覚的なものを言語化して客観的に判断するのはとても難しくて、2、3度の失敗でも向いている人はいる、初めての失敗でも、こいつは向いていないという人もいる。ずーっと自問自答していても歳をとってしまうだけなので、期限を決めて考えると良いと思う。自分で決める期限が自分で判断するのに十分な時間だろうから。石の上に3年なんて今じゃ考えられない。

 

異動した後輩が幸せそうだった。

とりあえず良かった。それしか言えないのだけど。
異動したそばから失敗したという声が聞こえたら、どうにもできなくなってしまうしね。自分の回りで異動や転職していく人は、飛び出して良かったという言葉を返してくれる。きっと自分も同じだったのだろうなと思い、うらやましいような安心したような気持になる。


本当はもう留まっていられる事が贅沢な時代になってしまった気がする。肉食動物のように貪欲に異動するたびに新しい喜びを得て幸せになる必要がある・・・そんな時代なんだろうなと。そうやってグラデーションを広げて変幻自在の人材になっていかないと凡人は食っていけなくなるように思うのです。

すみません。落ちはありません。

 

おしまい。