会社で牙を抜かれたなら爪を研いでおく

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生きるためには仕事が必要。

新人さんが初々しい感じを見せる中、定年に近づいたおじさんは生き抜くすべを探しウロウロするという構図が毎年見られてるって事は、まだマシな会社なんだろうな。

 

年齢を重ねて思うことは、働きたくないの一言。ファイアーなんてカッコいい言葉はいらないから早退できたらいいなと思うばかり。そんな夢を昼間に見られるわけもない。
家族がいれば選択肢は限られていくわけで。子供がサッサと巣立って行くようなワイルドライフなら楽だっただろうと思う。寿命が長くなったからたったの20年と言えるかもしれないけど。
日本人の現実は自分の人生を削り家族を生かす事を優先する。死んだ時のために保険を掛けてまで働く。愛する家族のためにというのは聞こえは良いけれど、本当は無心になって金のために働く宣言なのだろう。本当に愛があるなら仕事を減らしてでも愛情を与えたほうが良いからね。愛があっても生けて行けないから上手く折り合いを付ける必要があるのだけど、つまり我慢が大事。

 

コロナ禍では仕事があって給料が貰えるだけマシだと思う。仕事が減って苦しんでいる人も多いと思う。でも、遠い国では戦争が起きていて、明日生きる事も難しい人たちがいる事を思うと、日本で生活しているだけで十分恵まれてるよなぁとも思う。

 

会社の制度が変わっても自分は変われない

仕事なんて辞めたければ辞めれば良い。辞めないからブラック企業が消えないんだという論理もわかるけれど、それほど現実は甘くないし飼いならされた時点で牙を失ってる。牙は無くても隠した爪くらい持ってないと、太刀打ちできない。年を取って転職するってそういう事だよね。

 

国の方針で社会制度が変わる。コロナのせいで働き方が変わる。会社と会社の関係が変わる。どんどん関係が変わっていく中で、安定した給料を貰うためには会社にしがみつかないとダメな事が多い。今の会社でうまく立ち回れない人がヨソに行ったらうまく立ち回れるはずもない。多くの場合、自分の会社が欲しい人材と競合の会社が欲しい人材は大差がない。そういうレベルの壁を大きく壊すような実績が無ければ今の待遇よりも良くなる事は無い。頭ではわかってても辞めちゃう人はいて、後悔を公開しているのがとても参考になる。

 

牙を抜かれたのに牙を生やすのはムリってもの

やっぱり安定している今のままで生きていこう。上司からのいびりとか客の理不尽な要求とかストレスがたまる事も多いけど、今まで通りやっていこう。と決意しても、ヌルく生きて待っているのはリストラという状態にしかならないわけで。

 

サントリーHD新浪社長「45歳定年制を」 SNSで波紋、釈明(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

こんな不景気な時に言っちゃうあたりがマズイと思わなかったのかな。年齢に合った役割があって、いかに一般社員の琴線に触れず時代に合ったものへ移行させていけるかが経営陣の手腕とだろ・・とは思う。会社が潰れちゃうという所まで行ったら悠長な事は言ってられないのだけど。表の顔と裏の顔を使い分けてこそ幹部であり管理職。会社を経営する上で優しい言葉なんてものは存在しない。それが社会の厳しさだから。

45歳にもなれば牙を抜かれた人が大半。そうやって飼われてきた人が飼う側に回るのはムリ。ましてや獲物を狙う側に回る事もムリ。会社の人事も制度もパワーバランスも理解して定年までをサバイヴするしかない。一兵卒として頑張ります!と言いながら着実に貯金を殖やしリタイヤの時まで息をひそめる。幹部のように表と裏の顔を使い分けて能ある鷹は爪を隠しておく。牙を生やす事の出来ないなら、爪を研ぐしか生きていく方法は無い。


終わりゆくシステムを保守している、古参のメンバーにかける声が無くて困っている。表の顔で「何とかなりますよ」って言いながら、裏の顔で残るメンバーの選抜をしなきゃいけない。本当に社会は厳しい。牙は抜かれていても爪を研いでいる事を祈るばかり。

 

 

おしまい