みずほ銀行のトラブルで思う事。

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これまで、どれくらいの人が苦しんだのか

携わった人は途方もない数だろうと想像できる。

みずほ銀行19年の苦闘…開発費4000億円以上“IT業界のサグラダファミリア”完成までの歴史 | ダ・ヴィンチニュース

 

20年と言えば赤ん坊が大人になる程の期間だし、バリバリ働いていた40代の担当者が隠居を考え出す期間でもある。色々なドラマもあっただろうなぁ…。

これだけの変化があれば、ITの環境も大きく変わってくるので外野の声を聞きながら対応するのはさぞかし難しかったと想像される。枯れた技術を使うとかレガシーを生かすという考え方もあるけれど、新しいものと古いものを連携する部分が必要で、こういう所がトラブルの原因になりやすいのは、これまでに経験した人が多いんじゃないかな。

 

気の長い仕事で職人のように残り続ける人もいれば、昇進や異動によって職場を去る人がいる。苦労するのもサラリーマンには限界があって、会社の環境や自分の環境の変化に適用する必要があって、それ仕事だけやってていいわけじゃない。

穏便に進む仕事であれば良いと思うけれど、この規模の仕事であればどれくらいの人が過労で倒れたのか心配だ。肉体的にも精神的にも限界の人たちが去り重要な仕事を残して逝ってしまったなんて事もあるんじゃないかな。大変な状況の時はマトモに動ける人に仕事が集まるから、残された人たちが苦しみを味わった事も予想できる。仮にトゥルーホワイトの職場だとするなら、外野からもっと頑張れよと言われる気がするけれど。

 

契約の範囲でやりきる品質

現場は一生懸命やったと思うんだよね。それなりに。要求とか仕様がハッキリしないとか上手く行かない事が多くてもうまく整えてきた。だから何とか動いてるしトラブルが発生した所以外はそれなりに動いてるわけでしょう。それでも、求められている品質には到達してないというのが問題になっているわけで。

品質は2位じゃダメなんでしょうね。1位相当の品質じゃないと。
命とお金にかかわる事に関してはシステムに対しての品質レベルはかなり高いものになる。品質が高いってバグが無い=要求通りという事なのだけど、文面通りの要求では物足りないというのが正直な所になるでしょう。様々なレアケースをパターンとして決めて要求事項の一部とするして定義必要があるわけで、経験値やスキルがモノをいうことになる。100万回に1回しか起きないエラーであっても、「レアケースだからセーフですよね?」でイケるのかイケないのか。多くのシステムではレアケースは「異常が発生しました~ごめんなさい。(係員を読んでください。ペコリ)」で済ませる事ができると思うのだけど、巨大なシステムで利用者が多いのなら、そんな事言ってられないでしょうね。

 

リスクの無い仕事は一つも無くて、契約の中でリスクをコントロールして仕事は終わらせていく必要がある。としか言いようがない。リスクをコントロールするという事は責任をコントロールする事でもあるから、今回はそのあたりがうまくできなかったのかな。もちろん発注側と受注側が協力してやるべき事だから片方が悪いと言って片付ける事はできないけれど、発注側がダメだった雰囲気は強い。難しく面倒な事よりもシンプルで単純な事の方がうまくいく。いつだってそうなのに謎のプライドでできない人も多いんだよな。(いい感じにうまくやっといてよって)

 

トラブルは反面教師になったのは間違いない。どれだけ金をかけてもダメなものはダメ。全体の一部だけが問題でも全体がダメという烙印を押されてしまう。
担当者は自分の作業範囲だけは頑張っていたはずだ。自分がその立場でも同じように考えると思う。でも、互いが連携する部分がうまく働かなければ全体としてはダメって事。結局、全体でうまくいって、一つのシステムとして評価されるという事。

トラブルはこのままでは終わらないと思うけれど、多くの人の努力が報われると良いなと思う。

 

 

おしまい。