他人の言葉と自分の意見

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若手の流出が止まらない

部署のメンバーが毎年のように異動していきます。
私の部署は古いシステムのお守が主な仕事のため、お世辞にも若い世代には良い職場ではありません。ツイッターを開けば最新技術を使ったキラキラした話題が流れ、隣の部署では物珍しい提案をしているのを聞いたりすると流行から遅れてるんじゃないかと焦るだろうなーと思います。中堅の世代になれば手堅く利益がでてリスクの低い仕事を選びたいのがセオリーでしょうが、今どきはそれすら会社から否定されてしまいます。

経営目線を持て、DX仕事を取ってこい、売上を伸ばせ、生産性を上げろ、無駄な残業をするな・・・全てを網羅する仕事のやり方…そんなものがあればこっちが教えてほしいくらい。会社の状況を分析する人たちはどうして自分が出した指標以外の事を想像する事ができないんですかね。お立場だけで解決策を提案するから施策の整合が取れず未達で終わる事も多い。施策に対して「できない理由を示せ」って言われてもねぇ。現場のトラブルは現場で対応する必要があるし、できない理由が言い訳と言われるのを十年以上経験してるからね。もしくは有能な人材を投入してくれたら解決かも知れないが。だいたい投入されてくるのは、即戦力として使えない人材な事が多くて腐らせてしまう事が多いのが実情。珍しく優秀な人材が入ってくると、「ここでは成長できないので。」とか言って別の部署へ異動願いを出してしまう。。。

逆の視点で考えると方針を決めて貰わないと動けない!という人が多くなったという事も事実としてあります。方針を決められるとそれはできないと言い、決められないと具体的な方針が無いから計画が立てられないという文句を言う。主体性と責任を持って仕事をこなすってかなりハードルが上がっていると感じます。世の中が失敗に厳しくなったという面は大きいですが、責任を押し付けられるという点も大きいと思います。

アドバイスに責任はあるか

プライベートでも個人差が大きい事に対して親身なアドバイスは不要と私は思います。むしろ一般論に終始した方が害がないかも。「一般的には〇〇と言われているし、最近は〇〇という考えもあるよね」みたいなアドバイスがベスト。アドバイスを欲している若者は自分に合うアドバイスを求めていて、それは中年オヤジからは出てこないから。1000人の意見があれば自分に合わせやすい意見も見つかるに違いない。それを選ぶのはその若者で議論は無いから自分なりの解釈をすれば完璧。そうなると、ツイッターの中で探すのが良いのかも知れない。

人のアドバイスを聞いてよかったっていうのは、たまたまアドバイスが有効だった時だけでしょう。身近な人物に対して踏み込んだアドバイスをするのはリスクが高いとさえ思います。会社を辞めた方が良い、絶対持ち家の方が良い、子供がいた方が幸せ etc 広告みたいに「個人の意見です」とか言えば良いのだろうけど、最終的には自分の意見で決めるしかないわけで。具体性が無い大雑把な話は前提条件が違いすぎてアドバイスとして成立しません。それどころか、失敗した時に「アドバイスのとおりに行動したら失敗した」と言いそうな人も増えている気がする。(おっさんと若者の関係性だから余計に感じるのでしょうけど。)

いつも誰かの言葉に振り回されている

会社から降りてくる指示も業界のトレンドに合わせた事をそれっぽい言葉(造語や新語)で説明してくるので、しゃべってる方も本質を理解できていないんじゃないか?と勘繰ってしまいます。まぁ自分の方が分かっていないのだから批判はできないのだけど、地に足のつかない施策を時代に合わせて捏ねているようでは末端の社員には響きません。ふわっとした言葉をかみ砕いて自分なりに解釈する事を求められているのだろうな とは感じるけどね。流行りの言葉を流行りのモノとして受け止めつつ、目の前にある事を着実にこなしていく事が賢いやり方でしょう。

むしろ、話し手の「言葉の意味」を深く理解しようとすると言葉に振り回されるように思います。話し手がなぜその言葉を使おうとしているのか を考えた方が言葉に振り回されにくくなると思うのです。新しい言葉を使いたがるのは、カッコよさと乗り遅れたくない焦りが含まれているんじゃないか?難しい言葉を使うのは威厳を保つためじゃないか?とか。本当に必要なのは、相手が言いたいこと、やりたいことの本質を自分の頭で考え、自分の言葉で腹落ちさせる事だと思います。そうすれば、表面的な言葉に惑わされ振り回される事もなくなるだろうと思うわけです。

なんでもかんでも、偉い人の言ったとおりにやってたら疲れますよね。

おしまい。