業務を丸投げしても責任は丸投げできない。

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セブンイレブンが始めた7Payの問題が世間を賑わせました。

7pay問題 7つのポイント | NHKニュース

 

私もSEという肩書で仕事をしているので、7Payの件については、他人事とは思えません。SIerと言われる大手企業が契約先の会社と協力してシステムを開発するという手法は日本ではありふれています。ITを使ったシステムやシステムそのものに詳しくない幹部の方々は、詳しい会社に外注すれば良いと考えるのは当然です。 

しかし、当然だからと言って真似して良いわけではない。

百歩譲って社内でしか使わないシステムであれば、それでも良いかも知れません。しかし消費者に対してリスクを負わせるようなシステムを作ってしまったら会社のブランドに大ダメージを与える事になります。

 

今回はQRバーコードの支払いで他社が大なり小なりのトラブルを起こしている事を知っていながらこのような状態なのですから目も当てられません。幹部は自分のビジネスに近いニュースすら見ていないのでしょう。他社のトラブルが目立つ程、後発のシステムに安定性が求められます。比較対象があれば同等では評価されません。(二番煎じと言われるだけ)本来なら少しでもプラスアルファが求められるでしょう。

 

ところが二段階認証に関してすら使用していないセキュリティ意識の低さ…

セブンペイ、2段階認証を導入へ 会見一夜明け一転対策(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

 

恐らく幹部のスマホには「他社の決済システムなんて入れられない」という言い訳を盾に他社のアプリを評価していなかったのでしょう。まぁ、幹部の方がコンビニでおにぎりを買う姿は見られないのかも知れませんが(笑)。

ネットで散々騒がれていたのに、社長が2段階認証を知らないというリスクが会社全体のリスクとして露呈してしまった所も見どころでした。

社長とその取り巻きの関係は・・・

  • Yesマンしかおらず、社長に進言できなかった?
  • 2段階認証くらい社長でも知っているだろうと思った?
  • 社長が嫌われていて、誰も助言をしなかった?

こんな感じなんですかね。ネットで問題だと指摘されていたのだから記者会見で聞かれることぐらい予想できたはずなんですよね。名の知れた大企業なのに。

この会見からも発注先に丸投げをしたのだろうと想像できます。
言われたとおりにやれ、安くやれ、納期は守れ、なんでできないんだ・・・。
既存のパッケージが無いビジネスシステムを外注に丸投げした所で良いものは作れない事は明らかなんですよね。 自分たちで使って検証ないんですから。カイゼンすべき所さえ分からないまま、それっぽく作ったシステムがトラブルに対応できるわけがありません。通常パターンが動いてもそれは当たり前です。エラーを減らしイレギュラーをうまく救えるシステムが使いやすいシステムなんですけどね。

 

会見では作ったベンダーの責任にしなかった事が唯一の救いだと思います。最終的な責任は発注者にある事は曲げなかったから。責任まで丸投げしたら、本当に信用ならない会社としてレッテルを張られたでしょう。

その責任すら丸投げにしようとするのが、公共系の仕事です。大きなトラブルが発生すると開発ベンダーの名前を公表し指名停止にするのです。法律違反であれば仕方が無いですが、それ以外のトラブルの責任をベンダーに押し付ける事が果たして良い事なのでしょうか。

 

誰かに頼めば、その尻ぬぐいは自分でやるしかないんです。
その覚悟が無いのであれば、誰かに頼んではダメなのです。
契約でも約束でもお願いでも・・・根っこは同じだと思います。 

 

 おしまい。