会社でうまくやっているあいつは、きっと錯覚資産をうまく使っている

表紙を一目見て「面白そうだけど胡散臭そうだな・・・」と思っていた所、フミコフミコさんが推薦されていたので、Amazonで速攻でポチって拝読しました。

最近も、シロクマ先生もブログを書かれていたので、本の紹介については尊敬するお二人のブログを紹介させていただきます。

  

『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』(ふろむだ著)は控えめにいって人生を変えうる悪魔の書なのでみんな読んだほうがいい。 - Everything you've ever Dreamed

  

『ふろむだ本』は現代の魔術書だ。だから使う側には力量が求められる - シロクマの屑籠

 

何となく気付いていた。あいつはうまい事やっているって事を。

ざっくりと言えば、錯覚資産は相手と自分(自分自身の実力)との情報量の差から生まれる認知の差によってデキルメンがさらにデキルメンに見えたり、デキナイメンがますますデキナイメンに見えたりしてしまう事だと思います。(正しい内容は本を読んで自分なりに理解してください。)こういう事って誰しもぼんやりと感じている事じゃないでしょうか。自分としては大した事をやってないのに思った以上に評価されたり、逆に大したミスでもないのに思った以上に評価が下がったり。

会社に勤めていると、そういった勘所を押さえていく事が処世術としてとても大切です。感覚的に理解できないメンや理解しているけど頑張りたくないメンにとっては面倒な事でしかなく、残念な仕事しか回らなくなる所を何度となく見かけました。

  • 自己評価は良い所を前面に出せ。小さなマイナスで大きなプラスは相殺される。
  • 一つ成功体験を作れば勝手に成功体験は増える。
  • 成功体験の積み重ねが自分が好きな仕事を選ぶ権利を与えてくれる。
  • 上司や関係者に顔を売っておけ。困った時に力を借りれるかも知れない。

今でも私が「デキル上司だった」と思う方が、若手の頃に教えてくれた内容です。20年近くたっているので具体的な表現は違うのですが、上に行く人は文書として整理されていなくても肌感で理解していたんだと驚かされます。(教えてくれた上司は社内での権力抗争に敗れ、前線から追い出されてしまいましたが…。)

自分が若い頃にはイマイチ理解できていませんでした。それが本当に悔やまれます。

 

自分自身が錯覚資産に囚われていないか

私は自分に自信が無いため、勝手に膨らんでいく錯覚資産と自分の能力のギャップに困惑していました。他人に自分経験を説明する時、どうしても耳障りが良く他人が面白く感じるようなポイントを誇大広告のように話してしまうのです。聞く側も細かい事を知りたいんじゃなくて、ザクっと分かりやすい答えを求めている事は明白でしたからお互いの認識に間違いは無いのですが。本音ではドロドロになりながら何とか成功させたプロジェクトなのに、相手に伝わる時はドロドロの部分は見えなくなって、成功したという所だけが表に出ます。「デキルメン」として紹介されれば、マイナスがいくら大きくてもプラスの内容で吹き飛んでしまうのです。ギャップがあるって言いたいけど、無理やり自分を低く見せる必要もないし、そういう人間とは自分も仕事したくないし。社会ってこういう感じで回ってるんだなと思いながら、どこからどこまでが自分の実力と言っていいのかーという所を注意しておかないと過度な期待に対して力不足を露呈する事になり、デキナイメンの烙印を押されたらしょうもない仕事しか回ってこなくなるわけでバランスの取り方は注意していたように思います。

 

肩書の力を自分の実力と勘違いしない

肩書一つで自分の立ち位置がガラリと変わります。大手企業の~、〇〇課長をして~、〇〇プロジェクトに関わった事のある~言い出したら切りがないですが、全て本人の実力とは無関係ですよね。大手企業の窓際族なのか、ブラック企業の課長なのか、ボツになったあのプロジェクトに関わったのかー言い方次第で錯覚資産になるモノは山ほど潜んでいます。肩書を使って錯覚資産を増やしてきた場合、リストラや諸事情によって全く違う業界の仕事をやろうとした時に大きく目減りする事は間違いありません。全く知識のない人に対しては錯覚資産は役に立たないって事なのだと思います。自分がアメリカに行って錯覚資産を使おうと思っても、文化も違えば名の知れた会社も違うのだから「へー」と言われるだけで全く役に立たないでしょう。

 

私は40代ともなれば会社からリストラされる可能性はゼロではなく、一時的に病気などで働けなくなる事も視野に入れておかなければならないと。しかし一般的に肩書を錯覚資産として使った転職はほとんど役に立たないのだから、自分の実力をいかにレバレッジをかけ錯覚資産を積み上げるかが重要でしょう。そう意味でも自分とはどんな存在なのか、何ができるのかを端的に表す事ができるよう日頃から考えておく必要が有りますね。

 

おしまい。