優れたリーダーは二重人格なんだと思う


私が仕事をしてきた中で「最も合理的」と感じたリーダーの話。 | Books&Apps

 

リーダの持ち分

この記事を読んで当事者になればめちゃくちゃ共感し、部外者だったらめちゃくちゃ嫌悪感を持つだろうなと相反するような気持になりました。

 

概ね管理すべきメンバーが10人位のリーダーをやってますが、私も有能な人を中心に据え、回りに手足となる作業者を配置すると言うのがセオリーです。基本的に作業者は言われた事ができれば合格点、それ以上であればサブリーダーに格上げといった感じでしょうか。私は外注さんと一緒にチームを組むことが多いため、上司とよその会社の社員を育てるというコンセンサスをとる事はかなり難しく、外注先の狙いに添ってあげるというのが精一杯でした。良くあるのがベテランと若手のセット販売みたいなもので売り込みです。若手を単品で入れられるとスキル不足の懸念がありますが、若手とベテランのセット販売でベテランがフォローするので大丈夫…みたいな具合です。結局は組織の単位が違うだけで、やっている事は何も変わりません。このやり方で本当に人が育っているか甚だ疑問ですが、経験値は貯まるので確実にレベルは上がると思います。

 

リーダーと言う役割に立ち返れば、人を育てるという事を優先できる場所は少ないでしょう。特にお客様対応する必要があればそれなりに話ができる人材が必要です。あぶなかっかしい無能を使うよりも、有能な人をあてがう必要があります。そんな時、私が便利に使っている言葉は「適材適所」です。アイツにはこの仕事はまかせられないなと思えば、上司には「適材適所で考えると、○○さんの方が良いと思う。」と進言します。技術的なスキルが高くても向かない仕事は間違いなくあるのです。無能が無用なトラブルを起こさない体制を作ることが出来れば、絶対に前には進むはずなんです。トラブルで足をとられるから進まなくなるのですから。

 

誰が敵なのか、敵になるのか

合理的なリーダー像とは記事の内容の通りなのだと思います。極端に言ってしまうと仲間だとしても敵になる可能性はあります。昨日の友は今日の敵。昨日までいたメンバーは明日からはお客様。リーダーにとって敵を作らないという事の重要性は痛いほどわかります。敵か味方かという判断をする時に些細なマイナスが生死を分ける場合があります。いつもはフラットだけど、あの件で嫌な思いしたから敵に回ろう・・・人間は恐ろしいです。もちろん、孤立無援の味方ゼロになるような痛々しい状況は、泥沼化していなければ発生しないと思いますが、これまでの根回しや立ち回りが影響している事に違いはありません。敵になってしまった時点でその人に対して多大な労力を払わなければない事は目に見えています。それがメンバーの場合、その人を追放して得られるメリットとメンバーの士気が下がるデメリットを天秤にかける必要があり、結果的に労力がかかってしまいます。

 

二重人格かよ

そして、メンバーに「表」では裏表があることも見せてはいけないし、「裏」では表裏があることを見せなければいけない。

公式には裏表がある人間という評価を受けてしまうと、仕事が進めにくくなります。でも非公式の場で正論ばかり言っていると、人間味が無くてついていけないとか、相談しても一般論しか言わないといったマイナスイメージが付きます。職人タイプの集団であればサバサバと自分のやるべきことをやっていけばいいので、好循環しか生まれません。しかし、お互いのことをあまり知らない利害関係が明確にあるようなメンバーの集まり一辺倒では進まないでしょう。敵を作らないためには意図的に二重人格である必要があるのです。こういうこと本当に無駄だなと感じます。でもプロジェクトを成功させるためにはこういう苦労を呼吸をするようにやらないとダメだと思います。冒頭の記事で無能と表現されている人々はこういう人間臭さを好物としている所も注意が必要でしょう。

 

 責任を持つなら、納得してやるしかない

トラブルが発生したらすべて責任者の責任です。ビジネスの場では本人の責任なんてのは公式には皆無に近いと思います。(裏では解雇、左遷とかありますけど。)そんな中でリーダの責任を負うというならば、メンバーに気持ちよく仕事をやってもらうしかないと思います。多少のイザコザ、わだかまりがあったとしても、プロジェクトが成功したのであれば「それはそれでよかったんだよ。」という見解になると思います。どんなことでも誠実に正しくやることが仕事ではないんですよね。どんなにグレーでも大半の関係者が白になる状況があれば、それは白なんですよ。(法的に黒なのはダメですが)純白でできる仕事なんてないというのが現実ではないでしょうか。リーダーはそういうところも含めて納得して、飲み込んで仕事を進めるしかないのだと思います。

好きか嫌いかは別ですが。

 

おしまい。