入社する事はめでたいものなのか

既に4月も中旬となり、一年の1/4が過ぎ去ってしまいました。
何をやっていたかと思えば、仕事、仕事、・・・休日も家に持ち帰りの仕事をしていた事が最大の思い出。(家に持ち帰った仕事って、計上できないからタダ働き)

そんな仕事の苦労ばかりに目を向けていると、入社式のスピーチで「おめでとう!」と締めくくる事に違和感しか感じない。 

 

自分が新入社員の頃

自分が会社に就職したときは、世間知らずで社会のことが色々とわかっていなかった。幸か不幸か就活は数社受けるだけで終わって、ほとんど苦労を知ららずにすんだのだ。(学校推薦だったようなきがする。)

今考えると未来について何も考えていなかったし、会社に潜り込めたのだから、それなりに働いていればなんとかなるだろう、と思っていた。それはあなが間違いではないけれど、つまらない仕事を一生懸命やるのはかなりつらかった。これはシンドイと思いながらも必死で働いた。そして会社に入ってすぐに辞めるやつを見てこらえ性の無い奴だと内心バカにしていた。

自分が新入社員の頃でも、新人教育が一ヶ月くらいあったように記憶している。今時ならできて当たり前の事を時間をかけて教えるような時間だった。今でもそれは続いているようだが、役にたっているかわからない。

 

入社できた事がおめでたいの?

入社式終わったら正式に社員になれるぜ!って事がそんなにめでたいのだろうか。それとも就職浪人しなくて良かった事?他人を蹴落として入社を勝ち取った事?もしや、親に一人前になったと言えるとか、やっと社会人になったとか、そういう事なのだろうか。

入学式なら分からなくもない。学生であれば無事に成長し節目を迎えられた事だ。小中学校はさておき、高校・大学であれば無事に進学できた事をめでたく感じる事もあるのだろう。しかし、節目という感想を除くと、「新しい組織にキミが入れた事」をおめでとうと表現しているようで、いささか気味が悪い。スポーツ大会で上位の成績を収めたのであれば、おめでとう!と言うのは、「努力の成果や運を勝ち取った事」を称賛する事だから自然に感じる。そうなると、高校や大学の進学も同じだろうか。努力を勝ち取った事がおめでたい事なのだろうか。自分は良く分からないが、無難に進学していく事に対して「良かった」と思う事はある。高校浪人とか大学浪人になってしまうのは、人生的にも持ったいないなーと思うため、学生が順調に進学する事は「良かった」と言える。まぁ、イマドキはそれだけでもないけれど。

 

入社も節目と考えられなくは無いけれど入社と進学は全く違うものだから、自分にはおめでとうとは言えない。学校は入ってしまえば何の成果が無くても及第点を取っていれば卒業する事が出来る。入学する事が一つの目的で「お金を払って通う所」。対して、会社は入る事は目的じゃない。自分の時間や能力を使って「お金を貰う所」。

 

人事部がOK出したから入社できただけなのに、入社できて良かったね!って会社側が言うのって不思議な話。マッチポンプにも感じる。私がおめでとうと言うならば、社会人を一年間通して経験できた時とか、一つの仕事をクリアできた時だろう。入社した事がめでたいと感じているような、頭のおめでたい新入社員はあまり期待できない。(自分もそうだったから、期待はされていなかっただろう。)

 

「おめでとう」から「ありがとう」と言われるために

入社するというのは、会社との契約を果たすという事。成果を上げて給料を貰うというルーチンに入る儀式という事だと思う。イマドキは能力の高い社員ほど転職していくものだと感じる(はてブでも転職エントリーが目を引く)。そう思えば会社に入った事なんて別にめでたくもない。その場所(組織)で何かの成果を出すまでおめでとうは取っておいても良いのではないだろうか。

新入社員の方には、成果を出して「おめでとう」も必要だけど、誰かから「ありがとう」と感謝される数を積み重ねていって欲しいように思う。いつになっても人との繋がりを持たずに仕事は出来ないのだから、競合他社を蹴落としてトップに立つ事も重要だけど、末端の顧客から感謝される仕事を重ねていく事も大事なのではないかと思う。

その成果が認められた時、本当の「おめでとう」が言える気がする。

 

おしまい。