会社を存続させるために給料は支払われている

 f:id:natsuno_sora:20201022230200j:plain

今の自分の給料をどう考えるか…

 同一労働同一賃金特集ページ |厚生労働省

 

会社のお金

かれこれ20年以上前に新入社員で入社した時は会社のお金の流れって無縁でした。給料ってどういう理屈で決まるかなんて考えた事もありませんでした。

 

会社のお金を考えるようになったのは、入社3年目くらいだったかな。

その頃はパートナー社員(外注社員)の方が多くて自社の社員と見分けがつかなかったし、社員よりも優秀な人が多いようにも感じていました。

その頃は仕事に対して人が足りないから手伝って貰っているという認識だったのだけど、本当はそうじゃなくて外注さんに丸投げした方が利益を取りやすいというだけの話でした。(ITとか土木系とか人海戦術で戦っている所は、多いイメージ。)

給料だけ見ていたら稼ぐカラクリがどうなっているかなんて気づけない。人月単価による受発注をしていると、社会が回るためには多少のウソも仕方ないのだと悟る事ができる…というかできた。

 

会社の最重要ミッション

もともと会社が持つ最重要ミッションは会社が存続し続ける事であって、社会に貢献するとかそういうキレイ事じゃないので(と、どこかの本で読んだ)。どんなキラキラと社会に貢献しているように見える会社であっても本質は変わらないでしょう。 

形は違うけれどお役所を考えてみると見えてきます。
お役所は税金を徴収して役所を運営しています。対価としてサービスを納税者に還元しているのだけど、公務員に給料を払って働いている事で成立しています。

税金が高い!という理由で少しでも還元率を高めようと考えたなら「公務員の給料を減らせば良いじゃないか」と言う人がいますが、それをやると誰も就職しなくなるので組織としては存続できず、結果として納税者に還元できなくなります。

つまり真っ当な給料を払い組織や会社を存続させる事が社会への貢献につながるわけで最低限必要な事だと分かります。

(潰れてしまう会社は、残念ながら社会から不要と思われたか、固定資産や人件費に無駄な出費を続けたのか…)

 

同一労働同一賃金

さて、同一労働同一賃金ですが…

その前に、会社に対して社員を解雇する権利を与えないと片手落ちのよう思うのです。そもそも同一労働同一賃金にするには手っ取り早く言えば会社に雇ってしまえばいいわけですよね。簡単に社員にするためには簡単に辞めさせる事ができればいいという事じゃないですかね。

とは言え、今の日本では人材の流動性も低いし歳を取ったらなおさら転職も厳しいので、簡単に辞めさせられるようになると少しでも給料の高い会社に行く必要が出てきます。頑張って勤めたら退職金貰えるから…なんて発想になれない。明日、辞めさせられる可能性があるなら生きるか死ぬかのサバイバルを続ける肉食獣になるしかありません。

 

同一賃金って言っても、社会保障費とか様々な制度とか会社には存在していて会社を存続させるために試行錯誤して社員の給料を決めているわけですから、組織に属しない人の分も同一に考えておくのはムリゲーだと思います。(結局は、ガイドラインとか抜け道を使う事になると思いますが)本当に優秀なら雇えばいいけど、代わりに辞めさせる人がいないとバランスが取れない。

そもそもA社とB社で同じような仕事していても給料は違うはずです(相場はあるにしろ)。もしA社内で同一労働同一賃金って頑張って言った所で、B社の方が倍の給料を貰っているとしたらB社で働いた方が良いですよね…。

 

多くのインフルエンサーが言う事を真に受けたくはないですが、給料を上げたければ会社を変えるしかないんだと思うんですよね。それか、その会社に入社するか。

同一労働同一賃金は心情としては間違っていないように思えるのですが、理性で考えると間違っているように思えてなりません。本質的に人材の流動性を高めるような施策を考えた方が良いんじゃないかと思えてなりません。

 

 

おしまい。