SIerの仕事にふさわしい人材を定義するのは難しい

f:id:natsuno_sora:20190810004532j:plain


 

らくからちゃさんのツイートを引用させて頂きました。

私はメーカー系SIerに勤めているのですが、私が新入社員で入社した20年以上前から「畑違いの学部卒」がいました。なにせ、もう退職してしまった私の同期は「生物学科」と言ってましたから。更に驚いた事に役職者であってもITに関係ない学科を出ている人がチラホラいました。役職者級にもなれば大学とか学科とかそういう話はしなくなるので聞く機会も少なかった・・・にも関わらず聞こえて来たという事は3~4割はいたんじゃないかと想像されます。(同期は3年目で3割、5年目で5割くらい転職や退職しちゃいましたけど。)

私の勤めている部署だけかも知れませんが、この仕事が楽しい!という人は見かけませんでした。多くの人はすぐにでも辞めたいが、それなりに給料を貰えているから辞められないという状況です。(今も変わりません・・・)
転職せずに残っている人について、良く言えば今の仕事に何かしら目標とか目的を見つけられる人。悪く言えば周りに流されて今を乗り切れば何とかなるだろうという主体性の無い人。私はそんな風に感じてています。


みなさん大卒なのでこれまでの勉強で培った「ルールで決まっている事を実行する。」能力が高い人が多く、業種的な知識についても興味を持って自分から調べるような人も多い印象です。SIerって業務知識があってナンボという面があるので、プログラミングだけをやりたいという人にはちょっと方向性が違いますね。当時の人事担当者からはプログラミングだけじゃなくて幅広い視野が必要だから畑違いの学生が必要なんだという事も聞かされました。自分は情報系の学科だったので順当な会社を選んだ気がしていましたが、SEやSIerの本当の仕事が何か分かっていませんでした。そういう意味では入社当時の私は畑違いの学生と何ら変わりはありません。何かやりたい事があったわけじゃなく、言われた仕事を頑張ろうと思っていたからです。


技術よりの仕事がしたかったのに、PMよりの仕事を多くしてきたため(もう40代ですから・・・)、もはや自分の事を技術者とは言いづらいというのが本音です。PMよりって言っても雑用係って感じですけど。イメージは歯車というよりハブですね。人と人とを繋ぐ役割をする感じです。お客さんもメンバーもうまい事繋いでいくような。
そして経験則だけで仕事をしていると、どんどん劣化して行きます。自分を振り返っても感じますし、周りにいる役職者を見ても思います。もちろん優秀な人はいるんです(そうじゃなければとっくに潰れている。)そういう人達と一緒に仕事して切磋琢磨しないと、独学ではどうしても限界が出てきます。いつも同じ人たちと同じルールで無難な仕事をしているというのは色んな面でよろしくないと思います。

 

で、ツイートの内容は本当にその通りだと思います。エリート採用ではない大学卒を選ぶのは 、それなりに頑張って勉強してきた実績があるからという基準しかないように思います。きっと自学自習できる人材だろうと。「人材育成≒先輩の背中を見て勝手に育て」という時代の考え方が変異して「自分自身で勝手に育て」という方向になっています。同じように育つ事も難しいから今は中途採用で穴を埋めようとしているのでしょう。

うまく育ち切れなかった人材に対して多くの方面でリストラが進んでいます。会社が上手く人を育てられないのであれば、工業高校、商業高校の子をもっと採用してくべきなようにも思います。反面、一定の能力を持った人材を集めるのに大学というブランドはまだまだ便利なのかも知れませんね。採用コストを下げ文句を言われない足切りの方法として大学卒と言うのが便利なのは間違いありませんから・・・。

 

おしまい。