国の過ちは誰の過ちなのだろう

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ロシアとウクライナの戦争はまだ続いていて、「武力行使は良くない」レベルでしか正しく理解できてないし、戦争の影響は日本にも出ている!ガソリン高いよね!みたいなちっぽけな言葉を交わしている私は平和ボケしてるなぁと思う。

 

世界は戦争していた。日本も。

そんなに遠くない昔。ロシアが進行する少し前も世界は戦争をしていた事を知識として知っている。湾岸戦争は子供の頃に起こった戦争でテレビで見れる戦争だった。当時は子供だったしあっけなく終わってしまったから「戦争の悲惨さ」見たいなものを理解する事はなかった。目の前のコトに一生懸命でよその国の事なんて眼中になかった。子供だもの。怖いなぁ、ひどいなあと言うだけでひどく無関係な事だった。

 

日本も戦争をしていた。知識として知っていても、過去に日本が占領した国から批判のされる事を快くは思っていない。昔の人がやった事で、いつまでも文句を言うのはおかしいと思う気持ちの方が強い。今の自分たちには関係ないと子供の頃に思ったし、今もそう考えてしまう。当時、被害にあった人が言うのは仕方ないけど、政治の道具にされるのも嫌な気がしている。


時代が違うというけれど、昔と今は間違いなく繋がっている。多少は歪みはあったとしても日本国が滅びるまで日本という国は日本。日本が消える時は、それこそ侵略された時に違いない。消えるまでは日本は戦争を始めた国だという事実は消えない。中の人がそっくり入れ替わったとしても日本は日本で日本人は日本人だから。歴史は繰り返す。誰かがそれを言ったなら、それを完全に否定する事はできない。

 

戦争は国なのか人なのか

国の指令だから進軍する。その時点で戦争を正当化する国民だと解釈されてしまう。世界中はロシアは戦争する国だと再認識した。抽象的な戦争という言葉を具現化しているのは国じゃなくて人だから、ロシア国民がウクライナ国民と戦争をしているという表現は正しい。

ロシアにも戦争へ行きたがる人はほとんどいないと思うけれど、国で決まっている事に逆らう事ができる人は多くない。今のロシア軍にも自分の命を守るために誰かを殺しに行く人がいるという事実だけは残る。

逆にウクライナ軍はどうなのかと問われ時、侵略を受けたという大義があるからロシア兵を殺しても良いのだろうか。正義か悪かを問う事は難しいけれど、自分の命を守るために相手の命を奪うというのであれば仕方が無いと思う。相手がゾンビだったら、モンスターだったら、動物だったら・・・人類でなければ英雄になるけれど、相手も同じ人間だから単純に英雄にはなれない。

ロシアは戦争国家

ロシアは10年、20年。いや、50年、100年たっても戦争国家と言われ続ける。国として言われても問題ないと考えているだろうけれど、国民はきっと嬉しくない。戦争の時、傍観者か当事者という違いも大きい。侵略された当事者は永久に侵略された事を子供たちに伝えていくだろう。それは自分たちの命を、将来の命を守る事だから。何より自分たちの正当性を示しておく必要があるから。日本に侵略された国でも同じことが行われていると想像するといたたまれない気持ちになる。

 

今回は独裁国の強さを見せられている。と思う。全方位的に準備を行なっていて、国家のためだから作戦を遂行すべきと考えた人が多くいたという事だろう。(リークしたら殺されていたかも知れません。)極限状態で自分の意思を貫く人間と、そうでない人間がいるという事を考えさせられる。「国に従う事が自分の意志だ」という考えも否定しないけれど。

 

理不尽なシステムやパワハラって何で生き残り続けてるの?と思った人に読んで欲しい話 | Books&Apps

リンク先の記事の内容はとても考えさせられる内容でした。
戦争が終結した時には、誰かが悪として裁判にかけられるだろう。その時、戦犯が「国のルールに従っただけだ」と言ったなら、悪として裁けるのだろうか。

政治的には国の過ちだけど、それは国民全員の過ちと考えるしかないと私は思う。パラリンピックへのロシア選手の出場停止をする形になったけれど、まさしく国の過ちは国民の過ちとして扱われた形だ。

個人は悪くないけど、国民は悪い。国籍は自分でコントロールする事が難しいけれど、従うしかない。

 

日本人も過去の国の過ちを、国民として受け入れていく必要があると今回の事で考えさせられた。それでもなお、過去の過ちを受け入れ、未来のためにできる事を考えて行くことが平和への努力だし努力を続けるしかないと思う。

 

早期の戦争終結と地域の安全が確保されますように。

 

おしまい。